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病院と診療所の外来は「同一の医療サービス」? ─ 再診料の議論開始

鈴木、嘉山、安達委員1106.jpg 再診料をめぐり、病院と診療所の外来診療が「同一の医療サービス」といえるかが問題となっている。中医協の支払側委員は、「同一の医療サービスを受けた場合は同一の料金にすべきというのが基本」という姿勢を前回改定から崩していない。(新井裕充)

 2010年度の診療報酬改定に向け、厚生労働省は11月6日の中央社会保険医療協議会(中医協)の基本問題小委員会で、初・再診料について「論点」を示し、意見を求めた。
 「論点」は、▽病院と診療所の役割分担と初・再診料における評価についてどう考えるか ▽外来管理加算について診療報酬上の評価をどう考えるか ▽各診療科が担う役割と初・再診料における評価についてどう考えるか─の3点。

 意見交換で、鈴木邦彦委員(茨城県医師会理事、日本医療法人協会副会長)は「患者さんのコストに対する意識が敏感になっている」と指摘した上で、病院の再診料引き上げを求めた。
 「病院と診療所の再診料に差があるので、厚労省の意向とは逆に安いほうに行く。病院から診療所に紹介しても、(再診料が)安い病院に戻ってきてしまう。あるいは、診療所の先生から言わせると、より安い病院に行ってしまうという現象が起きている。そういう意味で、再診料に差があるというのは問題ではないか。全体として医療費が安いので、もし、『同一』という方向で改定するのであれば、低いほうを高いほうに合わせるという考え方が1つあるのではないか」

 鈴木委員はこのように、患者の受診行動が「厚労省の意向」と逆になっていることを指摘。安達秀樹委員(京都府医師会副会長)が次のように補足した。
 「診療所と病院の外来再診料に点数差を付けたのは、医療機関のビヘイビアのインセンティブを付けようとした。つまり、『病院はあまり外来を頑張っても点数にもなりませんよ、だから入院に特化しなさい』と。その代わり、『個人診療所は外来で頑張りなさい』という意味合いがあった」

 その上で、安達委員は「(診療所)71点と(病院)60点、110円(の差)。3割負担しても33円。この差で、個人医療機関へ行くか、病院へ行くかということは恐らく患者さんのビヘイビアにはない。病院の外来再診料が100点だったとしても、やはり患者さん方の病院集中は止まらないのではないか」と指摘。点数格差については、次のように主張した。
 「統一すればいい。ただ、1つ条件があるのは、低いほうを高いほうに合わせてください。つまり診療所にとっても、これを下げていただくということの論拠はない。つまり、『片方を上げて片方を下げて真ん中で落としましょう』という話ではない」

 こうした診療側委員の主張に対し、支払側の白川修二委員(健保連常務理事)は「同一の医療サービスを受けた場合は同一の料金にすべきというのが基本」と反論。「病院と診療所で再診料が違うというのは、私どもとしては納得いかないというのが基本。外来管理加算を含めてトータルで考えるという方向ではないか」と返した。


  【目次】
 P2 → 同一の医療サービスといえるか
 P3 → 初・再診料で3つの論点を示す ─ 厚労省
 P4 → 「低いほうを高いほうに合わせる」 ─ 鈴木委員
 P5 → 「病院の再診料が100点でも病院集中は止まらない」 ─ 安達委員
 P6 → 「同一の医療サービスを受けた場合は同一の料金」 ─ 白川委員
 P7 → 「格差の理由が議論の出発点として必要」 ─ 安達委員

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