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ニュース〜医療の今がわかる

第一回ADR機関連絡調整会議開催


 ここから若干の質疑応答。
 小松・茨城県医師会副会長
「この会議も医師会から出ているのは私1人で弁護士会に偏っている。実際問題、全国でもADRは弁護士会中心に行われているのが実際だと思う。しかし茨城県の場合は違う。医師会からの提案で、医師会が年400万円の費用負担をしている。他地域のような申立料も成功報酬もないし、誰でも申し立てできる。愛知県に質問したいのは、和解金が大きい。保険との関係はどうなっているのか。最初に日医の承諾を得られなかったらお金が出ないはずだが」

 増田
「各医療機関がどうやってお金を出しているかは分からない」

 児玉
「医療機関側で利用したこともある身として説明する。保険との調整は適宜適切に行われていて、既にその実績も十分に積み重ねられている」

 植木
「たしかに保険を払ってもらえなかったら前提が崩れる。100万円以上は日医の承諾がないと払えないことになっている。千葉の場合は県医師会とも相談して日医にもお願いはしてきた。しばらく模様眺めをして、妙なことはしてないと納得いただけたんだと思うが、できるだけ尊重すると言っていただいている。誓約書を書いてくれと言ったが、それはダメだった。しかし尊重するとのことだ。それから病院の場合は自家保険で日医とは関係ないというのもある」

 宮脇・医療過誤原告の会会長
「解決のためには、事実関係の明確化、正確な事実究明が欠かせない。そのためにも病院側の積極的な関与がカギになるだろう。その辺どうか」

 増田
「平成9年からやってきて、医療側の代理人も、センターを利用することが患者にとってもよい解決になると理解している。その積み重ねが、医療側の積極的に使おうという姿勢につながっている」

 植木
「最後の調停にまで至った例、今は圧倒的に患者側からだけれど、医療側からの申し立てもある。両方に応諾してもらうのが不可欠なんだけれど、その前に一生懸命説明してあげれば大体解決すると理解している。そのためにも信頼できる医療者の存在は大切だ」

 佐々木孝子・医療過誤を考える会代表(1994年1月に当時17歳の二男・正人さんがバイクの自損事故を起こし、搬送された救急病院で十二指腸破裂を見逃された挙句、MRSAの院内感染も起こして事故後15日目に亡くなったという経験を持つ
「私の場合は、医療者から誠実な説明がなくて裁判をせざるを得なかった。誠実な説明が被害者にとってとても大切だけれど、それがない場合にその気持ちをどこに持っていけばよいか分からなくなる。その場としてADRがあるという説明だったと思う。しかし、ADRに行っても医療者本人から説明がなければ同じこと。医療者と当事者が向かい合って誠実に話をすることが必要。不可抗力もあるだろう、それは誠実に説明してもらうことで、ああそうなのかと思えるし、ミスがあったならそれを誠実に謝罪してもらえれば納得できる。ADRで迅速に和解に至るというけれど、医療者が出てこないなかで本当に納得できているのか。

 こんなことを言うのは私は裁判で事実関係に争いがなくなった後、和解したらどうだと裁判所からも弁護人からも勧められた。あとは金銭の問題だけだから、と。そうじゃないんだ、医療者の口から直接聴きたいんだと言っているのに、それが出てこない。だから私は弁護人を解任して本人訴訟で証人尋問してもらった。そうやって話を聴くまでに5年かかった。医師の側に誠実さがあれば、もっと早く済んだ。双方の5年間の負担はとても大きかったし、5年経った尋問を勝ち取ったからといって当然のことが分かっただけ、息子は帰ってこない。もっと早く話をしてくれていれば、もっと早く癒されていたはず。当事者との対話が大切だということを申し上げたい」

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