文字の大きさ

ニュース〜医療の今がわかる

がん医療と介護シンポジウム


会場2
「40年以上、西ヨーロッパと米国にいて戻ってきたところ。驚くのは、テレビCMのほとんどががん保険であること。日本に来る前は米国の東海岸にいたけれど、がん保険のCMなど見たことがない。どうしてあんなに宣伝するのか不思議。それからもう一つ実感としてあるのは、色々と悪く言われているけれど、日本の皆保険制度は非常によいものだと思う。米国ではオバマの医療改革があったけれど、あれに対して多くの人がもうよい医療を受けられなくなるからと反対した。西ヨーロッパなんかは多くの国が国民皆保険だけれど、ちょっと特殊な医療というか、よい医療を受けようと思ったらアメリカへ来なければいけないという。その点、日本はがん保険を除けば、標準的な医療が万遍なく受けられるというのは非常に幸福だと思う」

会場3
「がん保険のテレビCMのようなやり方は私も異常だと思っている。保険会社からすると亡くなる人は減り、昔は肺がんでも40日くらい入院していたのが昨今では12日くらいと在院日数の削減が進んでいるわけで、がんの入院日数に対して1日あたり1万円2万円という保険は全く必要ない、必要ないというか患者さんを騙しているだけの世界。未だにテレビでは1日いくらのがん保険がどうのこうのとやっている。あれは実に保険会社は不正をやっていると思う。それから高度障害に関しても、もっと適用を緩めて約款の解釈通りに払うべきだ。とにかく今の世の中、不安を煽って保険に入れさせて、でイザという時には保険金を出さないという仕組みを国をあげてやっているようなおかしな時代に入っているんでないか」

赤田
「先ほども申し上げたように、日本の中での医療保険は個人的には行過ぎていると思っている。国の保険が充実しているのに、民間がそれを売りだしていくのが行き過ぎていると思う。元々、日本という国は社会保障に関しては非常に恵まれた国。年金制度も悪く言われているけれど、実際には戦後復興に頑張った方々へ現役世代が支払うという感覚で僕なんかは思っているが、それであれば年金制度はそんなに悪くはない。全体的なことを見たうえで判断した方がよい。先ほどから言われているテレビCMの多さは業界内でも問題にはなっている。数社、営業マンを使う代わりにCMをやっている面がある。しかし医療保険は第三分野であって、やはり本来は死亡保険を中心にやられるべきでないか。ただ、それを業界としてどうするのかは分からない。CMをするのは、その企業の自由だという考えもあり規制するのは資本主義に反する。

国民全体で、トータルに保険料を払いすぎかどうかは分からない。保険に期待する目的は人それぞれだから、一概に言えない。ただ問題があるのは、1人の人が一生に払う保険料は個人で平均1000万円から1500万円と言われていて、一方で残された家族が実際に保険金として受け取っているのは300万円。変じゃないのと思うかもしれないが、多くの人がそういう仕組みの保険に入ってしまっているから。売る方も悪いとは思うが、そういうのを知らないで入ってしまうケースがあるというのが問題。皆さんが経済原理を理解するのも大切だし、僕らも中から変えようとは一生懸命やっているんだけれど、正しい保険の見方や正しい入り方をやってかないといけない。たとえば保険の見直し方という雑誌なんかで特集が組まれていて、あれを見ているケースもあると思うが、中にはどう考えても広告料を払っている会社の製品ばかり宣伝しているとしか思えないようなものもある。ちゃんと正しいことをやっている雑誌もあるけれど、そこは個々で判断するしかない。日本人は割と何でもメディアを信じるというところがあると思う。メディアが本当に正しいのか、一度きちんとフィルターを通すクセを付けた方がよい。

批判を受けている部分はたしかに問題が大きい。悪いニュースはいっぱい出るけれど、悪いニュースは出ないので、そこもどうかと思う。昔は情報がなかった分、悪いニュースもなかったので皆悲観的にならなかったのが、ニュースがあることによって悲観的になって心配しないでもいいことを心配し始めたりとか。身内の中ではあまり変なこと起こらない。他人に何もかも投げ出してしまうということを、しすぎでないか。

高度障害の解釈は、保険会社によって異なる。会社は確かに出したがらない。それを払わせるのが僕らの仕事。そこを保険の営業マンが認識しないといけない。約款は非常に曖昧にできているので、交渉次第では出せる可能性が高いということになる」

  • MRICメールマガジンby医療ガバナンス学会
サイト内検索
loading ...
月別インデックス