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イレッサ和解勧告で、国立がん研究センターが緊急会見

国立がん研究センター会見20110124.jpg イレッサの和解勧告案に対し、国立がん研究センターは1月24日、緊急記者会見を開いた。(新井裕充)

 会見の模様は以下の通り。
 
[加藤雅志・国立がん研究センター広報室室長]
 皆様、大変お待たせしました。これより、イレッサの和解勧告案に対する国立がん研究センターの見解について緊急記者会見を始めさせていただきます。

 本日は、お忙しいところお集まりいただきまして誠にありがとうございます。それでは、まずはじめに出席者の紹介をさせていただきます。

 独立行政法人国立がん研究センター理事長、嘉山孝正でございます。
 理事長特任補佐の堺田正樹でございます。
 企画戦略室室長、成田善孝でございます。
 中央病院呼吸器腫瘍科呼吸器内科科長、田村友秀でございます。
 がん対策情報センター薬事・安全管理室長、柴田大朗でございます。
 中央病院看護部長、丸口ミサヱでございます。

 また、本日はがん患者の立場から2名の方にご出席いただいております。

 卵巣がん体験者の会「スマイリー」代表、片木美穂様でございます。
 特定非営利活動法人「グループ・ネクサス」理事長、天野慎介様でございます。

 そして私、本日の司会を担当いたします、国立がん研究センター企画戦略室副室長および広報室長の加藤雅志でございます。よろしくお願いいたします。

 それでは、まずはじめに今回のイレッサの和解勧告案に対する国立がん研究センターの見解について、国立がん研究センター、嘉山孝正理事長よりお話し申し上げます。よろしくお願いいたします。

[嘉山孝正・国立がん研究センター理事長]
 がんセンターの嘉山です。

 今回、イレッサに関して裁判所が和解勧告をしたことは、我々は報道でしか分かりません。詳しいことは、色々な事例の判断を裁判所がどのようにしたのかについては和解勧告書を手に入れておりませんので分かりませんので、コンセプトとしての見解、つまり原理的なものをちょっとお話しして、我々の考えをお伝えしたいと思います。

 私自身は、「全国医学部長病院長会議」の医療事故の対応委員長を6年やっておりまして、前任地では医療事故を隠蔽した教授を懲戒にするという立場の者と、まずご理解願いたいと思います。

 従いまして、今回の見解に関しましても、科学的なこと、あるいは国民の皆様の全ての健康を......、特にがんに関する健康を預かる「国立がん研究センター」の責任者として見解を述べるということをご理解願いたいと思います。

 それでは、最初に皆様にご起立を願って、イレッサの副作用によってお亡くなりになった方に黙祷を捧げたいので、ご起立をお願いいたします。

 黙祷。


【目次】
 P2 → 国立がん研究センターの見解
 P3 → 薬剤性急性肺障害・間質性肺炎について
 P4 → 「副作用を誰かの責任、医療が成り立たない」 ─ 嘉山理事長
 P5 → 「裁判所の判断は自然界を全く理解していない」 ─ 嘉山理事長
 P6 → 「医療、医学、自然科学が成り立たなくなる」 ─ 嘉山理事長
 P7 → 「私たちは決して対立軸ではない」 ─ 片木代表
 P8 → 「リスクと利益を知った上で患者は闘っている」 ─ 天野理事長
 P9 → 「いかに国民が納得する制度をつくるか」 ─ 嘉山理事長

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