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ニュース〜医療の今がわかる

「家族が強くなれば、施設も変わる」―認知症患者の介護家族の声①


■勇気持ち、「本人へのケア」を求める
 
――それはすごいですね、本当にお元気になられたのですね。
 
私にとっては介護者の方同士が集まる交流の場の「つどい場さくらちゃん」があることが本当に大きかったんです。そこで色々な人たちに出会って、アドバイスをもらって勉強させていただきました。薬をやめて状態がよくなっている方の体験談も聞いていたので、精神科医に相談することができました。何かと言うと病院ではすぐ薬を出されますが、個人によって薬は違うと思います。その人の体がどうこうではなく、薬が出されていると思います。でも家族も何も言えない。でも、誰かが勇気を持って言わないとよくならないと思います。気になることがあったら聞いてみて、ダメだったら別のことを考えたらいいと思います。やっぱり家族が強くならないと変わらないと思うんです。施設に家族が入所していると、何か言うとうるさい家族と思われてしまって、お世話をしてくださっている方の態度が変わるのではないかと不安に思うと思います。でもそれでは施設も良くならないと思うし、本人も家族も良くなりません。家族がしっかり関わっていくと施設も変わっていくというのは本当だと思います。そうやって施設がよくなっていったら、施設の方も楽になられることがあるのではないでしょうか。
 
――家族が医療や介護についてしっかり考え、意見を持つことで全体がよくなっていけるということですね。家族がそうなっていけるには、どういうサポートがあるとよいのでしょう?
 
私には介護者同士の交流の場があったので、何かあったとしても最後には行けるところがある、なんとかなると思えました。そういう介護者を支えてくれる強いサポートがあると、家族は自信を持って強くなれるので、そういう場は絶対に必要だと思います。
 
――今、ご主人は時々ご自宅に帰っておられるのですよね。
 
月に一回、体調を見ながら自宅に帰っています。帰ると娘や孫たちが来てくれて、一緒に食事をして笑ったりしています。孫は3歳で小さいけど、夫がオムツを変える時に車いすを押してベッドまで連れて行くのが仕事です。後ろから押している孫の姿が見えないので、皆で「電動車いすみたいね」と笑っています。夫のオムツを変えている時、孫は何を思っているのか分かりませんが、主人の手を撮って「もうすぐ済むからね」と言っているんです(笑)。主人はそれを聞いて、「うんうん」と。こちらの話しかけには「うん」としか言えないので、主人はどこまで分かっているか、家に帰ってきているということ、娘や孫のこともどこまで分かっているのか想像できないですが、どこかで分かってくれていると思います。今でも時々正気に戻る時があるんです。家で泣いている時もあって、言いたいことが言えなくて、本人が一番かわいそうだなと思います。それでも、多分家族と一緒にいることに、幸せを感じてくれていると思っています。今の状態が少しでも長く続いたらいいなと思っています。
 
――ご主人の看取りのことはどんなふうにお考えなのでしょう。
 
看取りについても、何があっても主人が苦しくないように、痛くないように、楽に死を迎えてほしいと思っています。今までも十分に病気と闘って、苦しんできていますからね。特養にみとりの部屋がありますし、最期は主人にとって少しでも痛くないように、と思っています。
 
 
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