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ニュース〜医療の今がわかる

なぜ、医師を増やすの?

■ 「医師の業務拡大という広い意味で考えて」 ─ 永井委員
 

[永井和之委員(中央大学総長・学長)]
 私は医学部を持たない大学の責任者です。医師養成に貢献するとすれば、私のゼミから、法律ですけれども3人医師になっている。医学部に入って。ま、子供1人を養子にした......。(委員ら、笑い)

 そのぐらい気を遣っていませんけれども、ちょっと、お話をさせていただきたいと思います。中川委員(日医副会長)が近々の課題として、地域医療における医師不足だという問題提起をされております。

 それについて、どういう医師の数と、それからどういう専門性とか人間性とか......。人間性については、丹生委員からちょっと、地域医療における医師の人間性とか、違うのかどうか分かりませんけれども、その特異性があるかもしれない。

 ▼ きわどい発言。

 それから、専門分野でも、地域医療についての専門分野、かなり汎用的な医師が必要なのか、専門的な医師か。それによって、養成するシステムが違ってくるのではないかと思われるわけで......。

 先ほど、広域性ということもどなたかおっしゃっていましたけれども、単に数だけではないと。やはり広域医療に当たる地域医療となれば、移動の時間等によって、単に人数比の問題ではない。
 そういう形で、需要の特異性をもう少し地域医療の場合には絞っていかないといけないのではないか。

 それから、供給の特異性という場合でも、そういった地域医療の場合の医療システム、体制というものをサポートも含んで、どういうものが良いのか。それは医師の数だけでは割り切れないのではないかという問題もございます。

 さらに供給の問題では、その定着性がある。もし、定着が悪いならばいくら供給してもイタチごっこ、されど変わらずみたいなものになって......。
 そうすると定着性を図るための体制、これは社会全体のサポート体制が必要なのではないか。待遇面も含んで......。

 副大臣がいますけれども、財務大臣的にちょっと......。地域医療に当たる人たちの待遇面も考えないと、定着性がなければこれ、いくら供給しても意味がない。地域医療に限っても、需要の特異性、供給の特異性というものを絞った議論が必要なんじゃないか。

 さらに、もうちょっと広く言いますと、先ほど鈴木副大臣がおっしゃったような観点から言えば、我が国の国際貢献ということからの医師、医学教育といったものを考えていくと。
 例えば、発展途上国におけるインフラ整備として、衛生面、環境面というのが大変な問題で、その辺りにお金が使われているんでは、なかなか経済発展とか社会発展に結び付かない。

 そういうODA(政府開発援助)の一貫としての医師というものも、やはり今後の我が国の医師養成の中で必要なのではないか。
 国際的な問題というのは先ほどもちらっと意見が出ておりましたが、そういう薬開発だけではなしに、もっと医師の業務拡大という広い意味で、その辺りも考えて医師養成をどうしていくのか、我が国における医学部の人数をどう考えるかを考えていく。そういう大きな視点を......。

 近々の課題ではないかもしれませんが......、近々かもしれませんので、中川委員(日医副会長)にはその辺り、地域医療だけじゃない。もう少し広く、この審議がなされればと思っております。

[安西祐一郎座長(慶應義塾学事顧問)]
 ありがとうございます。それでは中川委員。


【目次】
 P2 → 「日本が医療分野で世界に貢献し名誉ある地位を」 ─ 鈴木副大臣
 P3 → 「世界最高水準の医療を続けていくために」 ─ 安西座長
 P4 → 「医師数は年々増えている」 ─ 厚労省医政局
 P5 → 「医師が何人働いているんですか?」 ─ 山本委員
 P6 → 「現在の医学部定員は限界に達している」 ─ 矢崎委員
 P7 → 「地域医療が崩壊している」 ─ 中川委員
 P8 → 「新たな医学部を立ち上げた方が早い」 ─ 今井委員
 P9 → 「医師のアロケーションの問題が大きい」 ─ 片峰委員
 P10 → 「今の医療資源をどう有効活用できるか」 ─ 栗原副座長
 P11 → 「現在のOECD平均3.1人を超える時代が来る」 ─ 黒岩委員
 P12 → 「福祉的な面の医療が不足している」 ─ 桑江委員
 P13 → 「すぐ医師を増やすか医療全体から考えて」 ─ 坂本委員
 P14 → 「基礎研究に入ってこられる環境づくりが大事」 ─ 妙中委員
 P15 → 「医薬品の研究開発に医師が必要」 ─ 竹中委員
 P16 → 「様々な病院を循環できる制度づくりを」 ─ 丹生委員
 P17 → 「医師の業務拡大という広い意味で考えて」 ─ 永井委員
 P18 → 「医学部の新設は到底あり得ない」 ─ 中川委員
 P19 → 「既存の医学部を強化していく」 ─ 中村委員
 P20 → 「精度の高い調査を目指すことが必要」 ─ 西村委員
 P21 → 「粗製濫造、青天井の医師養成になってしまう」 ─ 濱口副座長
 P22 → 「周辺領域と合わせて定員の議論を」 ─ 平井委員
 P23 → 「モデル事業として新しい構想の医学部創設も」 ─ 矢崎委員
 P24 → 「若手の研究者が非常に少なくなっている」 ─ 山本委員
 P25 → 「ジグゾーパズルを全部はめ込んで絵にする」 ─ 安西座長
 P26 → 「アジアの若者を日本が育成する視点を」 ─ 鈴木副大臣


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