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ニュース〜医療の今がわかる

なぜ、医師を増やすの?

■ 「周辺領域と合わせて定員の議論を」 ─ 平井委員


[平井伸治委員(鳥取県知事)]
 (前略)マクロとミクロの話をですね、ぜひしていただきたいと思います。マクロで確保されたからといって地域の病院が確保されるとは限らない。
 例えば、1つひとつの病院が綺麗に咲かないといけない。基本的には現場の目線で考える必要があるだろうと思います。

 併せて、数の議論だけでは解決できない。定員の話その他と合わせて周辺の話も我々はしなければいけない。その中で解決策を見い出す必要がある。

 特に、現在は明らかに足りないんですから、これに対するアプローチをまず考えながらも、さらに定員増で解決できるところを整理しながら議論していくべきではないかと思います。

 現場では色々なことをやっています。例えば、私ども県立病院を抱えていますが、医師、現場の人たちから評判が良いのは、やる気が出るのは、意外なことですけれども論文を書かせることです。
 臨床をやりながらどんどん論文を書いてもいいよと、そういうのを支援する体制を組みますと元気が出ます。そういうもんだと思いますね。人間は伸びたいから。

 あるいは地域医療ということでいろんなことをやっていますが、福祉と連携をしまして、その往診とか日頃の健康相談なども含めて......。地域全体と結び付いて、どうやって患者をケアしていくかというシステムをやろうとしています。

 あるいはITの時代です。県立の1つの病院で最近始めたんですけれども、アップルのiPhone(多機能携帯電話)があります。あそこに画像診断データを送付して、現場を離れていても解析できるようにして、実際に診断を増やしてもらうということも可能にするとか......。

 そうやって、様々なシステムと合わせて、この医師不足の問題をどうしていくかを考えていくべきだと思います。(中略)それから、地域医で大体の相談に応じられる医師を育てる。地域医の養成を1つの柱とする。鳥取県でも、鳥取大学が寄附講座を始めました。

 こうした周辺領域と合わせて定員の議論をしていただきたいと思います。

[安西祐一郎座長(慶應義塾学事顧問)]
 ありがとうございました。矢崎委員、どうぞ。


【目次】
 P2 → 「日本が医療分野で世界に貢献し名誉ある地位を」 ─ 鈴木副大臣
 P3 → 「世界最高水準の医療を続けていくために」 ─ 安西座長
 P4 → 「医師数は年々増えている」 ─ 厚労省医政局
 P5 → 「医師が何人働いているんですか?」 ─ 山本委員
 P6 → 「現在の医学部定員は限界に達している」 ─ 矢崎委員
 P7 → 「地域医療が崩壊している」 ─ 中川委員
 P8 → 「新たな医学部を立ち上げた方が早い」 ─ 今井委員
 P9 → 「医師のアロケーションの問題が大きい」 ─ 片峰委員
 P10 → 「今の医療資源をどう有効活用できるか」 ─ 栗原副座長
 P11 → 「現在のOECD平均3.1人を超える時代が来る」 ─ 黒岩委員
 P12 → 「福祉的な面の医療が不足している」 ─ 桑江委員
 P13 → 「すぐ医師を増やすか医療全体から考えて」 ─ 坂本委員
 P14 → 「基礎研究に入ってこられる環境づくりが大事」 ─ 妙中委員
 P15 → 「医薬品の研究開発に医師が必要」 ─ 竹中委員
 P16 → 「様々な病院を循環できる制度づくりを」 ─ 丹生委員
 P17 → 「医師の業務拡大という広い意味で考えて」 ─ 永井委員
 P18 → 「医学部の新設は到底あり得ない」 ─ 中川委員
 P19 → 「既存の医学部を強化していく」 ─ 中村委員
 P20 → 「精度の高い調査を目指すことが必要」 ─ 西村委員
 P21 → 「粗製濫造、青天井の医師養成になってしまう」 ─ 濱口副座長
 P22 → 「周辺領域と合わせて定員の議論を」 ─ 平井委員
 P23 → 「モデル事業として新しい構想の医学部創設も」 ─ 矢崎委員
 P24 → 「若手の研究者が非常に少なくなっている」 ─ 山本委員
 P25 → 「ジグゾーパズルを全部はめ込んで絵にする」 ─ 安西座長
 P26 → 「アジアの若者を日本が育成する視点を」 ─ 鈴木副大臣

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