なぜ、医師を増やすの?
■ 「モデル事業として新しい構想の医学部創設も」 ─ 矢崎委員
[矢崎義雄委員(独立行政法人国立病院機構理事長)]
医師数と共にですね、最初に副大臣がおっしゃられたように、やはり幅広い分野で活動する医師の育成も非常に大きな課題ではないかと思います。
専門領域において活躍されることも欠かせませんが、地域医療の建て直しや医学研究への貢献、あるいは製薬などの医療産業や、我が国にとどまらずに国際的に活躍する医師の育成が求められている。
現在、文科省の医学教育のコアカリキュラムでも、総合的診療能力の習得、地域医療への使命感の向上、基礎と臨床の有機的連携による研究マインドの醸成となっています。
しかし今、アウトカムベースドの評価になりますと、必ずしもそれが実感されていないことが指摘されています。それはやはりスタッフのサポートが乏しいということが大きな原因ではないかと思います。
私としてはですね、このような視点から、1つ提案したいと思います。
モデル事業として新しい構想の医学部創設も、その対策の1つになるのではないかということです。その内容につきましては、私なりの考えもありますけれども、慎重に検討すべきではないかと思います。
そして人材育成のアウトカムを比較しますと、自ずから医学教育の抜本的な改革への大きな推進力になるのではないかと期待されていますので、その方面からの検討もぜひお願いしたいと思います。
[安西祐一郎座長(慶應義塾学事顧問)]
ありがとうございました。山本委員、どうぞ。
【目次】
P2 → 「日本が医療分野で世界に貢献し名誉ある地位を」 ─ 鈴木副大臣
P3 → 「世界最高水準の医療を続けていくために」 ─ 安西座長
P4 → 「医師数は年々増えている」 ─ 厚労省医政局
P5 → 「医師が何人働いているんですか?」 ─ 山本委員
P6 → 「現在の医学部定員は限界に達している」 ─ 矢崎委員
P7 → 「地域医療が崩壊している」 ─ 中川委員
P8 → 「新たな医学部を立ち上げた方が早い」 ─ 今井委員
P9 → 「医師のアロケーションの問題が大きい」 ─ 片峰委員
P10 → 「今の医療資源をどう有効活用できるか」 ─ 栗原副座長
P11 → 「現在のOECD平均3.1人を超える時代が来る」 ─ 黒岩委員
P12 → 「福祉的な面の医療が不足している」 ─ 桑江委員
P13 → 「すぐ医師を増やすか医療全体から考えて」 ─ 坂本委員
P14 → 「基礎研究に入ってこられる環境づくりが大事」 ─ 妙中委員
P15 → 「医薬品の研究開発に医師が必要」 ─ 竹中委員
P16 → 「様々な病院を循環できる制度づくりを」 ─ 丹生委員
P17 → 「医師の業務拡大という広い意味で考えて」 ─ 永井委員
P18 → 「医学部の新設は到底あり得ない」 ─ 中川委員
P19 → 「既存の医学部を強化していく」 ─ 中村委員
P20 → 「精度の高い調査を目指すことが必要」 ─ 西村委員
P21 → 「粗製濫造、青天井の医師養成になってしまう」 ─ 濱口副座長
P22 → 「周辺領域と合わせて定員の議論を」 ─ 平井委員
P23 → 「モデル事業として新しい構想の医学部創設も」 ─ 矢崎委員
P24 → 「若手の研究者が非常に少なくなっている」 ─ 山本委員
P25 → 「ジグゾーパズルを全部はめ込んで絵にする」 ─ 安西座長
P26 → 「アジアの若者を日本が育成する視点を」 ─ 鈴木副大臣
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