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ニュース〜医療の今がわかる

なぜ、医師を増やすの?

■ 「医師のアロケーションの問題が大きい」 ─ 片峰委員
 

[片峰茂委員(長崎大学学長)]
 医師の総数の問題も1つあると思いますが、やはり医師のアロケーション(割り当て)の問題というのは非常に大きいと思うんですね。1つは地域医療の問題(地域偏在)、それから診療科(偏在)の問題と2つあると思います。

 私は長崎という土地柄なんですが、やはり本学の卒業生、なかなかですね、残ってくれる学生は少ないですよね。その結果として、長崎県は特に離島、へき地をたくさん抱えていますので、大変な状況になっています。

 そういう中で、先ほど文科省の(資料に)もありましたが、(国公立大医学部入試で地元高校の出身者らを特別枠で選抜する)「地域枠」をどんどん増やす。

 あるいは、うちの場合ですね、すべての学生に1週間から10日、離島に出すんです。そういった離島医療の実習をどんどんやると、効果も確かに上がります。(中略)

 だけどですね、抜本的な所はですね、「出口」の問題なんです。だからぜひお願いしたいのは、「医学部定員の検討会」と言うと「入り口」の問題になると思いますが、やっぱり「出口」ですよ。ここも要するに一緒に議論しないと、恐らく問題の解決にならない。

 とりわけ......、もう少し突っ込んで言わせてもらいますと、これだけ医療崩壊、医師不足が言われている中でですね、国民の税金を使って医師を育てるわけですから、その中で公益、公益をですね、観点としてですね、やっぱりガバナンスを発揮するべき時期に来ているんではないかという気がします。

 ▼ 偏在を解消するため、医師を計画的に配置せよという意見もある。

 そのために、なかなか難しいとは思いますけれども、「出口」の所が重要だろうと思います。「入り口」と一緒に「出口」の問題を考えるということが重要じゃないかと考えます。

[安西祐一郎座長(慶應義塾学事顧問)]
 ありがとうございます。それでは、栗原委員。


【目次】
 P2 → 「日本が医療分野で世界に貢献し名誉ある地位を」 ─ 鈴木副大臣
 P3 → 「世界最高水準の医療を続けていくために」 ─ 安西座長
 P4 → 「医師数は年々増えている」 ─ 厚労省医政局
 P5 → 「医師が何人働いているんですか?」 ─ 山本委員
 P6 → 「現在の医学部定員は限界に達している」 ─ 矢崎委員
 P7 → 「地域医療が崩壊している」 ─ 中川委員
 P8 → 「新たな医学部を立ち上げた方が早い」 ─ 今井委員
 P9 → 「医師のアロケーションの問題が大きい」 ─ 片峰委員
 P10 → 「今の医療資源をどう有効活用できるか」 ─ 栗原副座長
 P11 → 「現在のOECD平均3.1人を超える時代が来る」 ─ 黒岩委員
 P12 → 「福祉的な面の医療が不足している」 ─ 桑江委員
 P13 → 「すぐ医師を増やすか医療全体から考えて」 ─ 坂本委員
 P14 → 「基礎研究に入ってこられる環境づくりが大事」 ─ 妙中委員
 P15 → 「医薬品の研究開発に医師が必要」 ─ 竹中委員
 P16 → 「様々な病院を循環できる制度づくりを」 ─ 丹生委員
 P17 → 「医師の業務拡大という広い意味で考えて」 ─ 永井委員
 P18 → 「医学部の新設は到底あり得ない」 ─ 中川委員
 P19 → 「既存の医学部を強化していく」 ─ 中村委員
 P20 → 「精度の高い調査を目指すことが必要」 ─ 西村委員
 P21 → 「粗製濫造、青天井の医師養成になってしまう」 ─ 濱口副座長
 P22 → 「周辺領域と合わせて定員の議論を」 ─ 平井委員
 P23 → 「モデル事業として新しい構想の医学部創設も」 ─ 矢崎委員
 P24 → 「若手の研究者が非常に少なくなっている」 ─ 山本委員
 P25 → 「ジグゾーパズルを全部はめ込んで絵にする」 ─ 安西座長
 P26 → 「アジアの若者を日本が育成する視点を」 ─ 鈴木副大臣

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