なぜ、医師を増やすの?
■ 「精度の高い調査を目指すことが必要」 ─ 西村委員
[西村周三委員(国立社会保障・人口問題研究所所長)]
国立社会保障・人口問題研究所の西村と申します。委員の皆様、大変素晴らしいご意見をおっしゃったので繰り返すことがないようにしたいと思います。
あの......、結論を先に言うと、若干矛盾したことを申し上げます。どうしてかって言うと、この検討会は医学部入学定員の在り方......「等」が付いておりますが、在り方、数だと思います。
先ほどから意見が出たように、この問題は数だけではない、まさにその通りだと思いますが、しかし数で解決できない問題も取り上げて議論したら、恐らく100以上の論点を議論する必要があって、座長......、先ほどからおっしゃっていますが、最終的にまとまらないんではないかという印象を持っております。
従って、これからの会議の進め方については、まず数から出発して、数では解決がつかない話に一回深堀して、最終的にやっぱり数に戻るような議論の進め方をする必要があるのではないかという......、ちょっと方法の問題です。
どうしてこういうことを申し上げるかと言うと、私は先ほどから少し話題になりました長谷川敏彦先生の平成18年の報告について当時から若干違和感を持っていました。
▼ 資料は、こちら。厚労省の「安心と希望の医療確保ビジョン具体化に関する検討会」の第5回会議(08年8月23日開催)で配布された。
恐らく、この当時の情勢から考えて、この後、日本の医師がこれぐらいで済むという予想は違うんじゃないかと思っておりました。別に、長谷川先生を血祭りに上げるつもりはないんですが、どうしてこういう数字になったのか。
例えば高齢化の影響をどの程度考慮されていたか、あるいは業務時間をどう考えていたか、当時、男女の比率はどの程度真剣に考えられていたか等々、少しこれをチェックすることで......。
別に、くどいようですが長谷川さんをけなすつもりはございませんが、どこが違っていたかっていう話はやはり検討すべきではないかと思います。それが1つのお願い。
それと関連して、私の所では相当昔から少子化の話を皆さんにお伝えしてきました。しかし残念ながら、割と表面的な形でこれがとらえられて、その結果、小児科医、産婦人科医が......。確かに子供さんが減るということを通して若干減って......。
それがまあ、次の言葉、非常に注意深く聴いていただきたいんですが、過反応......、つまりお医者さんが過反応したという意味ではございませんが、結果的に必要以上に減ってしまうということになった。その経過、一体どういうことでそういうことが起きたかという、過去の経緯についてもチェックした方がいいんじゃないかと思います。
それからもう1つ、今申したようにあえて「数だけではない」ということを前提に申し上げますが、先ほどから中川委員(日医副会長)がおっしゃるように......。
私も必要医師数、実態調査の結果はとっても驚きでございます。やっぱりもう少し、この調査については時間があればで結構ですが、精度の高い調査を目指すことが必要ではないかと思います。以上です。
[安西祐一郎座長(慶應義塾学事顧問)]
ありがとうございます。では濱口委員。
【目次】
P2 → 「日本が医療分野で世界に貢献し名誉ある地位を」 ─ 鈴木副大臣
P3 → 「世界最高水準の医療を続けていくために」 ─ 安西座長
P4 → 「医師数は年々増えている」 ─ 厚労省医政局
P5 → 「医師が何人働いているんですか?」 ─ 山本委員
P6 → 「現在の医学部定員は限界に達している」 ─ 矢崎委員
P7 → 「地域医療が崩壊している」 ─ 中川委員
P8 → 「新たな医学部を立ち上げた方が早い」 ─ 今井委員
P9 → 「医師のアロケーションの問題が大きい」 ─ 片峰委員
P10 → 「今の医療資源をどう有効活用できるか」 ─ 栗原副座長
P11 → 「現在のOECD平均3.1人を超える時代が来る」 ─ 黒岩委員
P12 → 「福祉的な面の医療が不足している」 ─ 桑江委員
P13 → 「すぐ医師を増やすか医療全体から考えて」 ─ 坂本委員
P14 → 「基礎研究に入ってこられる環境づくりが大事」 ─ 妙中委員
P15 → 「医薬品の研究開発に医師が必要」 ─ 竹中委員
P16 → 「様々な病院を循環できる制度づくりを」 ─ 丹生委員
P17 → 「医師の業務拡大という広い意味で考えて」 ─ 永井委員
P18 → 「医学部の新設は到底あり得ない」 ─ 中川委員
P19 → 「既存の医学部を強化していく」 ─ 中村委員
P20 → 「精度の高い調査を目指すことが必要」 ─ 西村委員
P21 → 「粗製濫造、青天井の医師養成になってしまう」 ─ 濱口副座長
P22 → 「周辺領域と合わせて定員の議論を」 ─ 平井委員
P23 → 「モデル事業として新しい構想の医学部創設も」 ─ 矢崎委員
P24 → 「若手の研究者が非常に少なくなっている」 ─ 山本委員
P25 → 「ジグゾーパズルを全部はめ込んで絵にする」 ─ 安西座長
P26 → 「アジアの若者を日本が育成する視点を」 ─ 鈴木副大臣
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