文字の大きさ

ニュース〜医療の今がわかる

医療基本法をめざす人々

話は続いている。
「議論すべき2つ目はガバナンスの問題。医療は相互扶助のしくみであり、自助、互助と公助のバランスをどのように取るべきか。ソリューションとして、いくつかある。第一はガバメントソリューション。霞ヶ関がやっているように中央統制で社会主義的に対応するもので、わが国はいまだにが場面とソリューションであるが、それにはもう限界が来ており体制を見直す必要がある。誰が問題提起して、どこがどういうプロセスで改善するのかという決定権限の割り付けの仕分けをきちっとやり直さないといけない。医療の基本は相互扶助というのが、民主党のコンセンサス。第二のマーケットソリューション、小泉政権の市場万能主義で進められてきたけれど英国でも失敗した。このどちらかというのではなく、第3の道がある。政府や市場の主導ではなくコミュニティが主導する。実は教育においては既にコミュニティスクールというものが2004年に法制化されており、既に全国で500校がコミュニティスクールになっている。

医療基本法についても教育基本法のフレームワークと似た思考方法を取れると思う。教育基本法に関して我々の対案は何人にも学習権はあり、全ての他者、国も地方公共団体も学校法人も地域も含めてだが、はその学習権を尊重するという規定にした。同じことを健康権というか医療権というかで規定すればいい。それから、教育基本法に関して実効的に大きかったのは、振興基本計画が入ったこと。医療にも入れる。その基本計画の中で医療費を上げていくのか検討することになる。

ところで今日のように患者の会で医療費増をやろうというとそうだそうだと賛同していただけるのだけれど、これが元気な消費者に対してそう言うと総スカンを食らう。だから医療に関しては、患者や医療者だけでなく、国民全部を巻き込んで議論を行う必要があり、振興基本計画をつくるということになれば、その契機になるだろう。

それから基本法をつくるなら、国際的な権利の体系、国連やWHOなどで定められたものとハーモナイゼーションを取る必要はあるだろう。

患者参加に関しては、何人にも健康権が保障されるわけだから、その中に政策決定過程に入っていくことも含まれる。医療のアクセス、コスト、クオリテイのACQはトレードオフの関係にあるわけだが、それぞれ個別の領域についてそれぞれACQのバランスを考える必要があるのだろう。そのためには、すべての関係者が入った場が必要で、そこにおいて熟議の民主主義を政治に導入したい。一律でなく個別具体の議論をしていくことになるだろう。医療は現場がいろいろに複雑化して、官僚の専門性では追い付かなくなった。厚労省の官僚が悪いのではなく、中央主導で決める構造自体が破綻している。現場において、医療の主人公である患者とその横にいて診療に当たる医療者、そしてそれを取り巻く地域へと中央の権限をエンパワーすることが必要だろう。中央は所得の再配分だけに専念して、その使い道は現場で議論できるような仕組みに変えていく、医療基本法制定が議論のきっかけになるのでないかと考えている」

中央主導で一律にソリューションを見出せると思うこと自体が間違っているとの指摘は、まさにその通りだと思う。よって先ほども述べたように、この協議会の成り立ちと行動の優先順位についても全面的には賛同できない。ではあるが、枠組みを進化させることがあるのなら面白いと思う。
何よりこの勉強会は実に勉強になった。休憩を挟んでパネルディスカッションに移行。

  • MRICメールマガジンby医療ガバナンス学会
サイト内検索
loading ...
月別インデックス