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終末期の治療方針、「家族の意見がバラバラ」

4月22日の診療報酬改定結果検証部会1.jpg 「家族内での診療方針に対する意見の相違があり、個々に話し合いを要求される」「遠くに住む縁者を称する人が後から現れ、話がひっくり返る」―。回復が難しい患者の治療方針について話し合いをする上で医療機関が困難に感じるケースとして最も多いのは、「家族の意見にばらつきがある」だった。(新井裕充)

 厚生労働省の調査によると、終末期の診療方針などに関する話し合いを実施する上で困難に感じることは、「家族の意見にばらつきがある」が最も多く、次いで「本人の意思確認ができないケースが多い」、「本人や家族に医療側の意見が理解されているか不明な場合がある」などの順だった。

 自由記載の回答では、「家族の意見がバラバラ」「家族間の意思の統一が図られていないので、こちらの考えが押し付けに取られる」「日ごろ病院に訪れない身内・親族が多く、死期が切迫している状態になって初めて病院を訪れ、これまでの話し合いの経過を無視し、合意内容を一から構築し直すことが多い」など。

 昨年4月からスタートした後期高齢者医療制度に盛り込まれた「後期高齢者終末期相談支援料」について検証するため、厚生労働省は昨年11月、全国の病院や診療所、20歳以上の国民を対象に調査を実施した(平成20年度診療報酬改定結果検証に係る調査・後期高齢者にふさわしい医療の実施状況調査2―後期高齢者終末期相談支援料に係る調査―)。

 「後期高齢者終末期相談支援料」は、医師が一般的に認められている医学的知見に基づいて、回復を見込むことが難しいと判断した75歳以上の後期高齢者について、患者の同意を得て、医師、看護師、その他関係職種が共同し、患者とその家族らとともに、終末期における診療方針などについて十分に話し合い、その内容を文書などにまとめた場合に算定できる。

 点数は1回2000円と低額だが、むしろ「延命治療にかかる費用を抑制する狙いがある」との指摘もあり、「75歳以上」という年齢区分と相まって、後期高齢者医療制度の撤廃を求める声が高まった。このため、昨年6月25日の中央社会保険医療協議会(中医協)で、「後期高齢者終末期相談支援料」が7月から一時凍結することが決定している。

 同日の中医協で、舛添要一厚生労働相は「終末期における相談支援料の実態に関する検証も行いつつ、これは年度末を目途に、その結果を中医協の皆さん方に取りまとめいただきたい」と理解を求めている。「後期高齢者終末期相談支援料」の凍結を受け、昨年10月からは、「終末期医療のあり方に関する懇談会」が開かれている。

 「後期高齢者終末期相談支援料」を検証するための調査については、今年3月18日の中医協・診療報酬改定結果検証部会(部会長=庄司洋子・立教大大学院教授)で速報値が報告されている。
 4月22日の同部会で厚労省は、140以上の自由回答など詳細なデータを加えた最終的な報告書案を示し、大筋で了承された。

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