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「第二波に備えて想定し直しを」 政府側専門家の尾身・岡部両氏 ~参院予算委

 政府の新型インフルエンザ対策をサポートしている専門家諮問委員会の尾身茂委員長(自治医科大学教授)は28日の参議院予算委員会で、「ウイルスの病原性にアジャストするような対策を作ることが課題。厚生省がすぐやるべき」と述べ、行動計画を早期に作り直すことが必要との見解を明らかにした。岡部治彦・・国立感染症研究所感染情報センター長も、「第二波が来るものと考えて、次の想定をした方がよい」と述べた。(川口恭)

民主党に続いて質問に立った自民党の西島英利委員に対して答えた。当該やりとりの概要は以下の通り。

[西島]
森兼(啓太・国立感染症研究所主任研究官)氏、木村(盛世・検疫官)氏から、先ほど(民主党の鈴木寛氏の質問への答えとして)水際対策には意味がなかった的な発言がされた。それから木村氏に関しては、タミフルやワクチンについても意味がないというようなことを週刊誌等々で発言されている。こういう発言が発せられると国民は不安になってしまう。そこで、このことについて専門の方々に質問させていただく。

[尾身]
質問に答える前に政府の専門家諮問委員会委員長として2点申し上げる。まず一点、今回の事態は政治的信条を超えてオールジャパンで取り組むべきことだと思っている。2点目として、専門家として感染症対策の基本の理念と客観的な事実に基づいてお話をさせていただく。

最初の水際作戦について。水際作戦は確かに万能薬ではない。本質的な欠点を持っている。理由は二つ。一つは潜伏期間内にそこを通る人がいること。それから今回は症状の比較的軽い人がいたということ。そもそも100%の万能薬ではない。その前提の上で、それでも今回一定の効果はあったと考える。

一定の効果とは何か。感染者が見つかったというのはもちろんだが、それ以上の意味があった。一つは国内の発症例が報告される迄に時間を稼げて診断薬を調整し、各地方自治体に配布することができた。これによって最終診断までの時間が、24時間以上かかったものが数時間まで短縮された。もう一つの効果は成田で4例見つかったことにより、症状を観察して、人数は少ないけれど日本人の反応がアメリカ人及びメキシコ人とほぼ同じということが分かった。

ただし、では100%正しかったかというと、個人的な見解では、水際対策を一生懸命やった反面、実は政府内では我々ももちろん、渡航歴のない人から新しい感染者が出ることには認識があった。つまりメキシコやメキシコから来ない人から感染が出る、このことは政府、厚労省や官邸にも認識は間違いなくあったのだけれど、この認識をハッキリ分かるように、本来ならば今回は来るから水際作戦と同時に外来サーベイランスの開始や強化、スクールサーベイランスといったコミュニティの中で起きているかどうかを調べる、そのメッセージは出たのだけれど、残念なことにメッセージがハッキリしなかった、これが今回の課題。

事実関係としてWHOは確かに水際作戦を一般的には勧めていない。しかしWHOは、リソースのある国は自分たちの主権国家としての意思としてやるのを止めるのはないということ。実際に中国やシンガポール、ニュージーランド等の国で検疫が行われている。ただし次回においては、今回はWHOも感染の広がりだけでフェーズを分けていた、日本政府もそう。次回においてはフェーズを作る、あるいは対策を作るといった時に、縦軸に感染力、横軸に病原力を置いた二次元的な対策を作る、これが検疫においても病原性を含めて多少アジャストするということはこれからの課題で、厚生省がすぐにやるべきことだと私は思っている」

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