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中小病院の生き残り策、「小規模地域で手間のかかる患者を引き受ける」

■ 「2次医療圏人口」
 

 地域における医療機関の役割を評価するため厚生労働省は6月19日のDPC評価分科会で、718のDPC病院を2次医療圏別に集計した「各項目の評価指標の検証②」を提示した。

 これは、2次医療圏を「50万人未満」「50万~100万人未満」など50万人ごとに区切り、DPC病院の分布を調べたもので、1つのDPC病院が2次医療圏で果たしている役割(シェア)を示している。

 例えば、救急車で搬送されて入院した患者の割合は「50万人未満」の区分で高い数値を示し、「150万人以上」が最も低かった。厚労省保険局医療課・長谷川学課長補佐は、「規模の小さな地域で一定程度の大きさの病院であれば、救急車の搬送割合が高い数値として出る」と説明した。

 これに対して、小山信彌委員(東邦大医療センター大森病院心臓血管外科部長)が、「50万人未満の数値が高くて、人口が多い所で低くなるのは、どう理解したらいいのか」と質問した。

 長谷川補佐は、「人口が少ない地域では、1つの医療機関が占めるインパクトが大きい。例えば、500床の病院があったとする。150万人規模の大きな地域の500床の病院ならば、救急患者を一定数引き受けたとしても割合は非常に小さくなるが、50万人の所での500床となると、非常にインパクトが大きいので、それによって大きな割合として出てくると解釈している」と回答した。

 委員からは、「不適切な指標だ」と反対する意見も出たが、「新たな機能評価係数」の指標の絞り込みは、「2次医療圏人口」を用いることを想定して議論された。

 同日の会合で厚労省が示した「2次医療圏別病院数」では、2次医療圏ごとに「DPC対象病院」「DPC準備病院」の数が記入されている。0~1の2次医療圏が多い中、札幌は34、東京都区中央部19、名古屋22、大阪37など、DPC病院の"偏在"が見られる。

 このため厚労省は、「2次医療圏人口」という基準を使って、DPC病院の"計画配置"に向かうことが予想される。
 ※ 詳しくは、こちらをご覧ください。

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