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「ラグ被害者の声も聴いて」 薬害検証委インタビュー③

 医薬品の用法の厳格化を求めるなどの第一次提言を出した厚労省の『薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会』に対して、先般、ドラッグラグやワクチンラグに悩む6つの患者団体が連名で要望書を出した。その真意はどんなことなのか、要望書の取りまとめをした「細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会」事務局長の高畑紀一氏に聴いた。(川口恭)

――薬害肝炎検討会に6団体の連名で要望書を出されましたね。きっかけは何ですか。

 検討会を毎回傍聴しておりまして、議論の進め方にずっと違和感を感じていました。委員が対等でないというか、行政経験者や医療者の意見に対して薬害被害者の言うことが圧倒的に強くて議論が対等ではありません。何度も、「薬事行政の被害は薬害だけじゃないぞ」と手を挙げて発言したい気になりました。

 元々の成り立ちが薬害肝炎訴訟の和解を受けてのことですから仕方ない面もあるとは思いますが、しかし出てきた提言の中身が薬害肝炎に留まらず、我々が改善しようと努力してきた「ドラッグ・ワクチンラグ」を増幅しかねない内容だったことに大変危機感を抱きました。

 前回の検討会を傍聴したら、CRO協会の方々に対するヒアリングが行われまして、そのきっかけが検討会宛に意見書を出したことだったと説明があったので、「要望書を出せば意見を聴いてもらえるのか」ということで、他の団体とも連絡を取り合って出したという次第です。

――他の5団体とは、どういうご縁ですか。

 ことしの2月に、「ドラッグ・ワクチンラグ」に関するシンポジウムを共催しました。

――6団体の気持ちは要望書にも書かれていますが、もう少し説明していただいてもよろしいですか。

 医薬品には、効能・効果である主作用と副作用があります。両者は不可分で、どちらか一方だけということはあり得ません。これらはともに「リスク」により評価することができます。前者はもたらされる利益により相殺するリスク、後者はそれにより発生するリスクです。後者が適切にコントロールされなければ「薬害」という、より大きなリスクを生じてしまいます。一方、前者のコントロールを誤ると、必要な医薬品にアクセスできない「ドラッグ・ワクチンラグ」というリスクが拡大します。相殺されるべきリスクが放置される、拡大されるという状態です。医薬品行政は、双方のリスク管理を車の両輪のように適切に行う義務があります。

 薬害肝炎検討会は、医薬品行政が行なうリスク管理のうち、後者のみを俎上にあげるもので、議論はどうしても偏ったものにならざるを得ません。先ほども述べたように、それはこの検討会が立ち上げられるまでの経緯等からしても止むを得ないでしょうし、委員構成も「薬害」に特化した陣容です。だったら、この検討会で「ドラッグ・ワクチンラグ」という前者のリスク管理についてまで論じてほしくないのです。

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