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ニュース〜医療の今がわかる

「わが国の医療費の水準と診療報酬」 ─ 中医協・遠藤会長の講演 (2)

■ 診療所の医療費のシェアは下がっている
 

 医療費が各施設ごとにどのように推移しているのか、データを集めました。トータルで見たものです。単位は「兆円」です。2001年度から2008年度まで、比較的短いスパンで見ています。
 これで見てみますと、歯科を除く医科診療所(の08年度の医療費)が8兆円です。「病院─法人」が9兆円、「病院─大学」は少ないのですが2兆円、(病院─公的は6.62兆円、病院─個人は0.31兆円)このような形になっています。

 これだけではよく分かりませんので、これ(スライド)は2001年度を100とした場合です。こちらの図もあまりよく分からないので、下の表を見ていただいたほうが分かると思います。
 (01─08年度で)一番伸びているのが大学(病院)です。ただ、比率は大きくないのですが、伸び率からすると一番伸びているのが大学です。

 それから、医科診療所は(01年度)1.000が(08年度に)1.053になっている。「病院─法人」は(01年度)1.000が(08年度に)1.145ということです。病院全体で見ると、(08年度に)1.065。医科診療所が1.053ですから、この8年間で見ると、上昇率としてはほぼ同じぐらい。
 ドーンと下がっているのは、「病院─個人」(0.463)です。これは病院数そのものが個人は減っていますので、そういう意味で下がっている。このように(施設)数に影響を受けてしまいますので、1病院当たりで見たものが次のスライドです。

 1施設当たりの伸び率が一番高いのは大学です。それから、病院全体では1.000が1.113ですから、11.3%ぐらい増えています。医科診療所は1.000が0.997ですから、ほとんど変わっていない。世の中全体で見ると、病院志向というのは続いているのかなと思います。こういう状況で推移しているということです。

 ただ今の表は、2001年度から2008年度まで見たもので、もう少し長いスパンで見てみたものがこれ(医療費のシェアのスライド)です。これは、病院と診療所だけを見ました。上が医科診療所、下が病院です。
 1980年から見ますと、昔は診療所の数が多くて、そういうことから医療費(のシェア)約40%だったものが現在は約30%。病院は約60%だったものが67.5%になっている。

 これ(医療費のシェア─病院・医科診療所・薬局)は、ちょっと細かな話で、この辺はパッパッと行きたいのですが、同じようなものを1980年から国民医療費のシェアを、病院、医科診療所、そして薬局で見ました。

 診療所が減っている、病院も減っている理由の1つには、薬局ですね。シェアですから、(三者を)足せば100なんですが、薬局の比率が高まっている。(病院は1980年度の52.6%から2006年度に51.0%、診療所は35.4%から24.6%、薬局は1.4%から14.2%)
 医薬分業の進展に伴い薬局が取る医療費が増えましたので、その分だけ、外来の薬の分が診療所と病院から薬局に流れるという形になりますので、こういう変化をしている。
 先ほどの病院と診療所の比率は、薬局分を除いて純粋に病院と診療所を足して100としたものがどういうふうに分かれていくかという話でしたが、実は本来、こういう薬局の影響みたいなものを議論しないといけないのかもしれません。

 さて、診療所の医療費のシェアは下がっているわけですから、「診療所の改定を厳しくして診療所から病院へのシフトということが適切でないのではないか」という議論が一方であるわけです。しかし、また違う見方をすると、違ったことが言えるわけです。


【目次】
 P1 → 診療所から病院への財源シフトは、22年度改定でも議論になる
 P2 → 診療所の医療費のシェアは下がっている
 P3 → 診療所に有利な資源配分がされている
 P4 → 医療法人の診療所との比較が今後のポイント
 P5 → 各科バランスも議論しなければいけない
 P6 → 次期改定の主要課題① ─ 新たな課題
 P7 → 次期改定の主要課題② ─ 従来からの課題


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