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若手研究者のやる気を失わせた 鈴木寛・文科副大臣

 「プレーンの状態であれば通らない話であっても、いったん公表したものを覆すだけの盛り上がりに欠けた。若手研究者をディスカレッジしてしまったことは間違いないので、これを大いなる教訓にして、科学的に先端研究を支えていく仕組みを構築していきたい」。鈴木寛・文部科学副大臣は、いち早く疑問を表明していた最先端研究開発支援プログラムの選考やり直しに至らなかったことに無念さをにじませつつ、今後を見据えて必要な取り組みを列挙した。(川口恭)

 鈴木副大臣の解説を再現する前に、まずこの日に菅直人大臣と総合技術総合会議有識者議員との会合の中で、これまでと何が変わることになったのか、会合メンバーである津村啓介・内閣府政務官の説明から確認したい。ちなみに、この会合の議事概要は内閣府のサイトに発言者の名前つきで来週掲載される予定だ。

 津村政務官によれば、プログラムの進行には総合技術総合会議が責任を持つこと、実質的運営は政務三役と有識者議員とで行うことで意見の一致を見たという。これまで実質的に運営を行ってきた「最先端研究開発支援会議」と「支援ワーキングチーム」を、廃止はしないものの棚上げすることになる。

 津村政務官は「いかんせんスケジュールが遅れているのでスピード感を持って進めるため」と説明したが、現実に何が起きるかといえば、各課題の内容を精査していくうえで、前政権とは一線を画すということになる。今後、金額変更に伴って再提出される研究計画案などは「適切な機関」に専門的立場からの精査を依頼するという方向でもまとまったという。

 要するに30人の中心研究者を変更することはできなかったけれど、中身は見直すぞということで、これが菅大臣にできる最大限だったわけだ。

 これに関して鈴木副大臣は「菅さんの肩を持つわけではないが、行政法の観点から言うと、いったん公表したものに対しては公定力が発生し、たとえ少々の瑕疵が見付かったとしても無効にするだけの覆すに足るだけのものでなかった場合は、そのままいくしかない。今回のプログラムは我々が一から設計したものではなく、プレーンの状態であればあり得ないようなことだが、しかし公定力は発生している」と述べた。

 では、何があれば「覆すに足」りたのか。

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