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医療費めぐる攻防が本格化 診療報酬の増額求め、与党医療議連が発足

櫻井会長.jpg 民主党がマニフェストで約束した医療費増額を実現させるため、民主党議員で作る「適切な医療費を考える議員連盟」が26日に発足した。まずは2010年度診療報酬改定がプラス改定となるよう、来月半ばに厚生労働省の政務三役に提言を提出する。医療費については財務省が診療報酬を引き下げる方針を打ち出しており、梅村聡事務局長は「政務三役を応援していく立場」と議連について述べるなど、年末の予算編成に向けて医療費をめぐる攻防が本格化してきたとみられる。(熊田梨恵)

 民主党はマニフェストで医療費対GDP比をOECD平均まで引き上げ、「地域医療を守る医療機関の中の入院」の診療報酬を増やすとしている。中医協の構成や運営などの「改革」も示している。
  
 しかし先週、財務省は医療費を増額すると国民負担が増えるとして、次回改定で診療報酬全体を3%程度削減する方針を打ち出し、医療界からは批判が上がっている。後発医薬品の使用促進などにより薬価を大幅に引き下げ、開業医と勤務医の収入格差の是正や、収入の多い診療科の報酬引き下げにより、診療報酬本体についても伸びをゼロ以下に抑えるとしている。
 
 議連会長に就任した桜井充参院議員は、「財務省の方から医療費を削減しないとないといけないのではないかという声が出てまいりまして、こういうことになってしまうと今ですら地域の医療は崩壊している」と述べ、マニフェスト通りに医療費を増額する政策を実現するため議連を立ち上げたとした。「いずれは医療や介護全体に広げて考えていきたい」とも述べ、来年以降は議論の幅を広げていく方針も示した。
 
 議連は来月半ばまでに来年度診療報酬改定に向けた提言をまとめるため、急ピッチで議論を進めていく。来年以降は、次期診療報酬改定を見据えてのデータ収集など、幅広く医療や介護の政策についても議論していくとしている。
 
 同日開かれた初会合には議員ら72人が参加。今回欠席だった議員も入れると約110人が議連の趣旨に賛同している。
 
 
 年末の予算編成に向けて、永田町と霞が関で医療費をめぐる攻防が本格化してきたが、長妻昭厚労相は「事業仕分け」で診療報酬の見直しを求める判定が出たことを受け、総額としてプラス改定でも上昇幅を抑える方針を示すなど腰砕け気味だ。梅村事務局長は会見で、「マニフェストの中で医療費等はOECDの先進国の平均値を目指していくと我々明確にやっておりますので、そこへの実現について、逆に言えば政務三役を応援していく立場と。民主党のマニフェストを実行していくことを与党の議員として後押ししていく」と述べるなど、財務省に押され気味の厚労省側をバックアップしていく姿勢を見せる。ただ、この議連が求める「診療報酬増額」の中身がどのような形になるかは、現時点では「(議連)参加者でイメージは変わると思う」(梅村事務局長)状態のため今後の議論次第となり、議連の提言がどこまで影響力を持つかはまだ見えない。

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