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ニュース〜医療の今がわかる

中小病院の収支改善が狙い? ─ 再診料問題の嘘と虚構、光と影

■ 「佐藤君! どうなってんのかね、これ」 ─ 嘉山委員
 

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 (厚生労働省の)社保審などの「基本的な方針」(に基づく650億円を優先的に配分する)ということを先行して考えれば、こういうこと(800億円の財源から650億円を引いた残りは150億円ということ)になるでしょう。

 (これに対し)安達委員(京都府医師会副会長)がおっしゃっているように、(社保審の基本方針に基づいて新たに評価する650億円と同様に)「再診料も実は"同格"で議論すべき話ではないか」「そもそも(医師の技術料の根幹をなす)再診料というものがどういうものかを考えてみれば"同格"の議論になる」、これが安達委員のご発言の意図だったと思います。

 そこにおいて、ある意味で(優先順位の)考え方が必ずしも一致していないというところがあるのかなーというふうに私なりに理解させていただいたわけでありますが......。

 ▼ 厚労省が2月5日の中医協で示した資料「外来に関する財源」によると、「外来プラス財源」が400億円、「適正化」で捻出する財源が約400億円。これらを合わせると約800億円の財源があるが、「新たに評価」する乳幼児加算や往診料などに約650億円が必要なので残りは150億円という説明だった。さらに、外来管理加算の5分要件を撤廃した場合に必要となる数百億円の財政影響を650億円に加えると、800億円の枠を大きくはみ出てしまう。これに対し、診療所の立場を代弁している安達委員は、病院と診療所の再診料統一に必要な約220億円を優先配分すれば800億円の枠内に収まると主張している。つまり、「800─220」をまずやるべきで、「800─650=150」だから足りないという理屈に反対している。
 8日の審議で、支払側の白川修二委員(健保連常務理事)は外来管理加算の5分要件をなくした場合の影響額を「400─500億円」とした上で、診療所の再診料を5点下げて66点で統一すべきと主張した。これに対し、安達委員は「400億円も戻らない、過大だ」と反論、議論は平行線をたどった。ただ、安達委員も、外来管理加算の5分要件を撤廃した場合の影響額をゼロとはしていない。このため、両者の主張の間を取って「200億円」とすれば、日経の報道通り「68─69点」辺りで決着することになろう。10日の審議では、公益委員の裁定案に安達委員が激しく反発して途中で離席するなど、多少のパフォーマンスが見られるかもしれないが、ほぼシナリオ通りに決着して12日に答申するという流れだろうか。

 えーと、時間が迫っておりますけれども、ほかにご意見、ございますでしょうか。嘉山委員、どうぞ。

[嘉山孝正委員(山形大学医学部長)]
 あの......、(記事のコピーを示しながら)この日本経済新聞の......、昨日(7日)の掲載ですか、また、(中医協で決定する前に)こういうようなものが記事になっちゃってるんですけど......。

 こういうのが記事になっちゃってるってことは......、中医協の(存在)意義は......、ないですね。この前も(薬価維持特例の導入で日経報道が)話題になりましたけど、会長としてこれは、やっぱりなんとか......。「漏れるからしょうがない」とか言わないで、「漏れる」というか、誰かが言うんでしょうけど......。

 でもこれ、「厚生労働省は(方針を固めた)」って書いてありますよね......。(保険局医療課長の)佐藤君......、どうなってんのかね。(会場、笑い)

 佐藤君! どうなってんのかね、これ。

 ▼ 2月7日付の日経新聞は、「中小病院の再診料680~690円 厚労省方針、診療所と同水準」との見出しで、次のように報じている。「厚生労働省は6日、4月から外来診察の基本料金である再診料を見直し、中小病院について大幅に引き上げる方針を固めた。現在の600円(患者負担は原則3割)を680~690円に上げる。中小病院の収支を改善させるのが狙い。開業医の診療所の再診料は現在の710円から中小病院と同水準に引き下げるが、時間外対応などで料金を加算できる仕組みも導入する。厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)で10日までに合意を目指す。全国に約8800(2008年10月時点)ある病院のうち、病床が200床未満の中小病院約6100が再診料の引き上げの対象になる見込み。中小病院の引き上げ幅としては、1996年度の90円に並ぶ大きさとなる」
 記事中の病院数は、厚生労働省の「平成20年医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況」に従ったものと思われる。かなり多くの中小病院が救済されるように思えるが、実は200床以上の中規模病院が深刻。同調査によると200~499床が約2200施設あり、全病院の4分の1を占めている。

病床規模別の施設数.jpg


【目次】
 P2 → 200床以上は「大病院」? ─ 日経報道
 P3 → 「佐藤君! どうなってんのかね、これ」 ─ 嘉山委員
 P4 → 「憶測記事が出ることもある」 ─ 厚労省
 P5 → 「誰が書いたんだか、手を挙げなさいよ!」 ─ 嘉山委員
 P6 → 「我々の心構え一つだと言える」 ─ 遠藤会長
 P7 → 「日経が中小病院の味方か」 ─ 鈴木委員

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