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薬害肝炎検討会終わる 最終回に「薬害」の定義で百家争鳴

 一昨年5月以来23回を数えた厚生労働省の『薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会』が30日終わった。報告書の中で「薬害」をどう定義するのかなど、最終回も予定を1時間超えて熱心な議論が繰り広げられ、最終報告書がまとまるまでには、さらに委員の中でメールベースの議論がありそうだ。(川口恭)

 薬害の定義に関する議論は、最終報告書案の中に『国、総合機構、地方自治体や医師、薬剤師、歯科医師等の医療関係者の薬害再発防止のための責務等を明確にすることは不可欠であり、薬事法に明記する...』という記述があったことから小野俊介委員(東大薬学部准教授)がこう問題提起して始まった。

 小野
「薬害の定義に関しては放ったらかしたまま2年やってきてしまったが、薬事法に薬害を書き込むというのなら、その実務を担うのは厚生労働省の方になると思うので、今の時点で定義に関して聞いておいた方がよいのでないだろうか。でないと法律に書き込まれた後で、この委員会の委員たちが怒るとか、製薬企業の人がビックリするというようなことが起きかねない。報告書案に、このように書く以上、厚生労働省の方が薬害の定義のイメージを持ってないことはないだろう」

 事務方、顔を見合わせる。

 小野
「ここで頭をひねっているようだと、心配になってしまう。ここでどういう議論をしようが一たび法律に書き込まれてしまったら、そちらが優先する」

 寺野彰座長(獨協医科大学長)
「小野委員はどのように定義しているのか」

 小野
「健康被害全部じゃないだろう。そこにシステム上の欠陥なのか科学の限界なのか、何らかのファクターが加わったものということになるんじゃないか。そのファクターに関しては、ここにいる委員によっても意見が異なると思うので、その厚生労働省の持っているイメージを聞いておいて、違うと思うならそう言っておかないと、不安で夜も眠れないという人が出てくるのでないか」

 事務局
「それは大事な問題なので、この検討会で議論いただくべきものだと思うし、薬事法改正の議論の中で検討いただくということだと思うが、そのうえで、これはオーソライズされたものではないが議論する時の要素になるかなというものを示させていただくと、一つは今小野委員がおっしゃったように健康被害全てを言うものではないだろう。必要なファクターとして何があるかということ。もう一つは、それによって起こってきたことを本来もっと小さい軽い時に食い止めることができたのに、というような所が定義になるのでないか他にもあるかもしれないが、そんなことを考えている」

 清水勝委員(西城病院理事)
「副作用と合併症というのがある。本来、効果を期待されている成分によって起きてきた被害的なものは副作用だと、今回のようなフィブリノゲン製剤は混入していた肝炎ウイルスによる被害だから、ここの所を区別した定義がいるんじゃないか。薬害を考える時に、その辺も念頭に置いて検討いただければ」

 高橋千代美委員(日本製薬団体連合会安全性委員会委員長)
「捉え方はそれぞれ違う。定義づけはかなり難しいことだろう。条件を考えないといけないが、今の段階で何を薬害とするのか基本的な定義づけは難しいのでないか」

 寺野
「非ステロイド系鎮痛剤の胃腸障害なんかは薬害と言っていいと思うんだけれど、他のものは人によってなかなか」

 小野
「いや、それは副作用なんじゃ。薬害と呼ばない人の方が多いんじゃないか」

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