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岐路に立つ中医協の分科会

6月30日のDPC評価分科会05.jpg 「うるさいから外出し」「分科会が振り回される」─。中医協の分科会で不満の声が上がった。(新井裕充)

 厚生労働省は6月30日、中医協の下部組織であるDPC評価分科会(分科会長=西岡清・横浜市立みなと赤十字病院長)に、前年度の収入実績を保証する調整係数に置き換わる「新機能評価係数Ⅱ」の考え方(たたき台)を示した。

 厚労省の担当者は「平成22年度改定の検討経過や具体的な改定項目を踏まえ、24年度改定に向けてどのような大方針で臨むべきか、その基本的な考え方と具体的項目の設定のあり方、たたき台となるものをご議論いただけないか」と意見を求めた。

 しかし、委員から「チーム医療」「内科のドクターフィー」「病床規模による評価」「専門病院の評価」など、1年以上前から続いた病院の機能に関する意見が相次いだ。
 そこで、小山信彌分科会長代理(東邦大部長)が「この議論をずっと続けていくのか」と指摘。「(候補項目が)20とか30という、とんでもない機能係数になってしまう」と苦言を呈したところで、齊藤壽一委員(社会保険中央総合病院名誉院長)がこう述べた。

 「例えば、『救急が非常に大変だ』ということで、病院団体などからは(救急搬送後、診断名が付くまでの最初の)『24時間を外出し(出来高)にしてほしい』という議論があって、それが(今回改定では)実現しなくて......。そういう点で、長期的なDPCの制度設計をする上で、声高に、『これは大変だから外出しにしてくれ』というのをどんどんのんでいると、もう出来高に近づいてしまったりですね、そもそも包括のDPCとは何なのかということを問わざるを得ない状況が出てきます。これはDPCのフィロソフィーとして、こういうものを包括すべきで、これは決して外出しにすべきではないと。『「じゃあ外出しにしてくれ』ということで、もうボロボロのツギハギのDPCになりかねないですよね。なんか、出たとこ勝負で、『これはうるさいから外出しにしましょう』みたいな風潮がいささかでも発生すると、もうDPCの制度は根幹から歪んできます」
(発言の詳細は5ページを参照)

 西岡分科会長も、「DPC全体を眺めながら考えていただきたい」と委員に注文を付けたが、問題は同分科会の上に位置する中医協基本問題小委員会(総会)との関係。この分科会でどこまで決められるのか、中医協小委との役割分担が議論になった。DPCの研究で知られる松田晋哉委員(産業医科大医学部公衆衛生学教授)はこう述べた。
 「基本小委と、この分科会との関係性の話ですが、DPCの強みはデータをたくさん持っていることだろうと思う。そういう意味で、具体的な議論はこちらでできると思います。DPC以外の区分はどれぐらい細かい所が分析できる形で集められているかは、まだきついんじゃないかなと思う。そうすると、データがない状態で、"あるべき論"が基本小委でポッと出てしまって、それに分科会が振り回されるということは少しまずいように思う。(小委からの)宿題の出され方も少しコントロールしていただかないと。その辺は事務局にお願いしたい」
(発言の詳細は7ページを参照)


【目次】
 P2 → 中医協とDPC分科会の関係
 P3 → 「小さな病院でも生き生きと」 ─ 酒巻委員
 P4 → 「重み付けの議論を」 ─ 小山会長代理
 P5 → 「長期的なDPCの制度設計を」 ─ 齊藤委員
 P6 → 「係数間の重み付けは小委で」 ─ 厚労省
 P7 → 「分科会が振り回される」 ─ 松田委員

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