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岐路に立つ中医協の分科会

■ 中医協とDPC分科会の関係
 

 手術や検査などで医療機関が受け取る診療報酬は、厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)で決まるとされている。しかし、中医協の上下に多数の審議会が設置され、どこで決まったのかがあいまいな責任回避の仕組みがつくられている。
 具体的には、診療報酬の基本方針を厚労省の「社会保障審議会」の医療部会と医療保険部会で決めるとされている。中医協総会の下には基本問題小委員会、その下に調査専門組織と称する分科会がある。そのうちの1つが、DPC評価分科会という位置付け。

 この分科会はメンバーが大して変わり映えせず、もはやネタ切れ状態になっている。08年度改定後、病院の機能に関する議論が延々と続いた。救急患者をたくさん受け入れたり、専門的な医療を提供したりする病院などを診療報酬で評価する目的で一時は盛り上がったが、特定機能病院を優遇する方向が途中から見えてしまった。

 ただ、中小病院を評価する係数として「地域医療への貢献」という項目があったが、最後までもめた末、この分科会では決まらなかった。あれほど時間をかけて議論してきたのに、非公開で決着してしまった。そしてまた、次の改定に向けて「新機能評価係数」の議論が始まろうとしている。

6月30日のDPC評価分科会.jpg 最近、厚労省のDPC担当者が変更した。中医協委員と分科会委員、どちらを重視するかで議事運営も変わってくるだろう。

 現在の担当者は、分科会よりも中医協を重視する傾向にある。以前のように医療課が方針を分科会で固め、その後の中医協小委で日本医師会のガス抜きをして大筋了承というシナリオではない。

 DPCの研究班もトップが変わり、前班長の松田晋哉・産業医大教授の関心は急性期から亜急性期(ポストアキュート)に移っている。慢性期のベッドで埋めるケアミックス病院が相次いでDPCに参入、もはやDPCが急性期の代名詞とはいえなくなっている。
 
 "玉石混淆"ともいえる現在のDPC病院。そんな中で、「DPC病院はどうあるべきか」を論じることは、「現在の一般病床をどうするか」「急性期病院をどう差別化するか」という問題を議論するに等しい。これはもはや同分科会の審議範囲を越えている。
 中医協小委に対して主導的な役割を果たせず、中・長期的な政策提言もできなくなった「DPC評価分科会」はいま、大きな岐路に立たされている。


【目次】
 P2 → 中医協とDPC分科会の関係
 P3 → 「小さな病院でも生き生きと」 ─ 酒巻委員
 P4 → 「重み付けの議論を」 ─ 小山会長代理
 P5 → 「長期的なDPCの制度設計を」 ─ 齊藤委員
 P6 → 「係数間の重み付けは小委で」 ─ 厚労省
 P7 → 「分科会が振り回される」 ─ 松田委員

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