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NICU長期入院児数が増加‐日本産婦人科医会調査

 日本産婦人科医会(寺尾俊彦会長)が昨年実施した調査で、NICU(新生児集中治療管理室)に1年以上入院している子どもは1施設当たり0.72人と、2003年の初回調査時より0.1人増えていたことが分かった。医会は長期入院児の増加を問題視しており、重症心身障害児福祉施設など受入先施設の充実を求めている。(熊田梨恵)

長期入院調査1.JPG 14日に開いた記者懇談会で調査を公表した。調査は昨年末に行われ、NICUのある医療機関159施設(総合周産期母子医療センター53施設、地域周産期センター90施設、その他52施設)から回答を得た。このうち、1年以上入院する「長期入院児」がいたのは79施設。
 
 長期入院児は115人おり、このうち4年以上入院する「超長期入院児」は13人。超長期入院児の状態を見ると、全員が経管栄養を必要とし、12人が呼吸管理を受けていた。退院の見込みがあるのは3人だった。超長期以外の長期入院時で経管栄養が必要な人は97人、呼吸管理を83人が受けており、退院の見込みがあるのは32人だった。
 2003年の初回調査では長期入院児が154人おり、このうち超長期入院児は24人(回答数248施設)。
 
長期入院調査2.JPG 調査を担当した同会幹事の松田秀雄氏(防衛医科大学校産科婦人科講師)は会合中、長期入院児の増加理由について「超未熟児の死亡率が減っているから」と述べた。
 また長期入院児の状態について池ノ上克同会母子保健委員長(宮崎大医学部附属病院長)は、「かつてはお産の時の低酸素性の脳障害という方が多いと言われていたが、最近そういう方はずいぶん減った。もともとそういう病気をお持ちのお子さんで手足の動きが自由にならない方のグループ、500,600グラムなど非常に小さく生まれて治療の途中で重篤な後遺症を残す方ではないか」と述べた。

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