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本来の「根拠」と「総意」に基づくガイドラインとは?-森臨太郎氏インタビュー①

  
■マイノリティの声を反映させる

「多少変えて使いましたが、『デルファイ法』を使いました。客観的に示すために、一つ一つの項目に対して『1~9』の数字を振ります。『1~3』を『賛成』、『4~6』を『どちらでもない』、『7~9』は『反対』とします。もっとも強い『反対』は9から下に、もっとも強い『賛成』は1から上に、とグレードをつけます。ある程度ディスカッションをして草案ができてくれば、メンバーに個々の項目について『1~9』をつけてもらいます。それを計算することで、客観的にどこに賛成のピークがあり、ばらつきがあるというのが分かります。コメントも出してもらいます。今度はコメントに応じて内容を変えてみるのですが、そうすると賛成度が移動して悪くなったら、『総意形成が遠のいた』となります。それでまた変えたら『上がった』と。そういうプロセスを繰り返していくわけです」
 
熊田 
「なるほど。面白いですね」
 

「世の中に全員賛成するような事柄はそうありませんよね。なので、その項目に関する意見を反映するであろうとするグループに集まってもらった中で、どこが賛成度が高く、どこがばらつきが一番小さいのか、いうところをこういうプロセスの中で客観的に示すことができます。それを基に推奨を作るわけです。今までの総意形成のやり方だと、会議をハイジャックするような声の大きい人の意見が通ってしまいます。患者さんでも発言できる方もいますが、できないことの方が多いですしね。また反対するにしても、どういう理由で反対したのかということがあるでしょう。さらに客観性を持たせるため、1回会議を開くことにしました。そこでどうして反対、賛成かというのを言ってもらうと、『なるほど、こういう意見だからこうなんだ』と理解できます。そして、もう一度そのプロセスを繰り返していくわけですね」
 
熊田
「日本のガイドラインだと考えられない総意形成の方法ですね。先生が考えられたのですか?」
 

「いえ、以前からあるもので、外資系の会社だと役員会での総意形成などに使っているようですね。席に『1~9』のボタンが付いていたりして。それを今回のガイドラインに組み合わせた、ということでは新しかったかもしれませんけども」
 
 
次回に続く

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