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ニュース〜医療の今がわかる

「標準医療の底上げで、救える命を救う」森臨太郎氏インタビュー③


■標準医療のボトムアップを国の戦略研究で

「周産期に話が戻りますが、今度厚労省の戦略研究のメンバーに加わることになりました。厚労省が周産期医療に大きなお金を付けてくれたのですが、現在そこで検討している研究で私達が考えているのがこの考え方です。総合周産期センターは今、77施設ありますが、かなり診療内容に差があります。各施設のデータを取り、どんな診療行為をやっているのか見てみると、それぞれの施設はどういう診療行為が得意か不得意かが見えてきます。そうすると、中には全国から見るとこんなのは当たり前という事がされてないという施設もあるでしょう。それが『常識ですよ』という事を教えるだけで、かなり良くなると思います」
 
熊田
「なるほど。まさしく周産期医療の均てん化、標準医療をボトムアップしていくことですね」
 

「『22、23週の早産の赤ちゃんへの治療をどんどん開発していくにはどうしたら』という方向も良いですが、一方でボトムアップをすることで死亡数をもっと減らせるはずです。日本ではある地域や医療機関でやっている事が、隣に行くとあまりに違うということがあります」
 
熊田
「確かに、同じ地域であっても医療機関の特徴や医師の違いで全然違うということはありますね」
 

「僕の新生児科医としてのテーマは、救えるはずの赤ちゃんが救えていないとすればどうするかということですが、その差を解消して皆で共有してボトムアップすれば、かなりの赤ちゃんが救われるんじゃないかと思っています。それが次のステップだと。戦略研究として、全体のデータベースを解析し、ある施設の中での得意不得意分野を見出し、それに対してのガイドラインをワークショップして皆さんにお伝えして、フォローアップして、改善してもらう。それをいろんな施設でやります。得意不得意分野をテーラーメイドして介入していく。こんな研究が実現できればと思っています。学者としては新しいことが生まれるわけではないので、つまらないかもしれないですけどね(苦笑)」
 
熊田
「国民の一人としては、そうしてもらいたいと思います。自分の通う病院と隣の病院でされる医療が全然違うというのは、知ったらショックです。知ることすらできないのが今の日本かもしれませんが」
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