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ニュース〜医療の今がわかる

村重直子の眼12 本田美和子・国立国際医療研究センター病院医長(上)

100723honda.JPG100723murasi.JPG 元厚生労働省大臣政策室政策官の村重直子氏が在野のキラリと光る人たちと対談していく好評のシリーズも12人目になりました。お相手は、国立国際医療研究センター病院でHIV診療などを担当している本田美和子医長。本田医師は、患者自身が自らの記録を付けていく大人版母子手帳のような『ほぼ日の健康手帳』を考案しました。なお今回は、初めて誌面とも連動します。webにはいつものように対談の全文を2回に分けて、誌面の方にも抜粋したエッセンスを9月号のP12~14に掲載します。(担当・構成 川口恭)

村重
「『ほぼ日の健康手帳』も3年目だそうですが、どういう内容で、なぜ作ろうと思ったのか教えていただけますか」

本田
「臨床医として患者さんにお目にかかる時には、大抵みなさんおからだの調子が悪くていらっしゃっているわけですが、医師は患者さんから色々とお話をお伺いして、こういう事情のある方だったら、こういう既往のある方だったら、こんな病気の可能性があるというように、お話を聴きながら問題を絞っていくというトレーニングを受けて医者になっているわけです。ですから、そういうお話を私たちは伺いたいんだけれど、患者さんが、たとえばお腹が痛いので今日は来ましたとおっしゃるとき、そのお腹が痛いのは、本当は5年前の盲腸の手術が原因になっているかもしれない。また、どんなお薬を飲んでいるかや、ご家族にどんな病気の方がいらしたかというようなお話を伺うことで、その方の症状の背景を知ることができて、診断に早く結びつけることができます。でも、このようなことをお訊きしても知らない方が結構いらっしゃいますよね。知らないことが悪いんじゃないけれど、そういうことを知っているのがどれほど自分の身を守るかということについて、誰もお伝えしたことがないから」

村重
「ないですよね」

本田
「そう、だからご存じでなくて当然だと思う。なので、これまでの健康の歴史とかご家族のご病気ことなどを知っていらっしゃるというのは、今の自分のからだの問題を解決するのに本当に役に立つことなんですよというのをお伝えしたいという思いが研修医のころからあったんです。自分がお目にかかる患者さんには直接そう申し上げることができるけれど、その数には限りがあるし、もっと多くの方々にお伝えできる機会があればいいな、とずっと思っていました。私、アメリカでしばらく仕事をしていましたけれど、救急外来にいらっしゃった患者さんのお話をお聴きしていると、私はジゴキシンというお薬を0.125ミリグラムずつ毎日飲んでいる、なんておっしゃるおばあさまがいらっしゃるの、全然珍しくないんですよね。」

村重
「アメリカには、ご自分で言える方いらっしゃいますよね」

本田
「そう、だから日本の人が言えないというのは慣れてないだけで、こういうことを聴きたいのです、とあらかじめお伝えしておけば、日本の人は絶対にそれができると思うんです」

村重
「日本人は結構まじめにやってくださると思いますよね」

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