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ニュース〜医療の今がわかる

村重直子の眼13 大西睦子・ハーバード大学歯科医学校研究員(中)


大西
「社会の中にいろいろな差がありすぎて、国が広すぎて全体が見えないので、一部の人だけの話だけ聴いて、アメリカはこうなんだと言うのは大きな間違いと思います。社会はピラミッドみたいになっているので、トップだけではなく、一般の人たちははどうなっているのかを総体的にアメリカという国を評価した方がいいかなって思いました」

村重
「アメリカに行って帰ってくる日本人って、普通に仕事を持っていて一定期間向こうにいて、それで帰ってくる、割と恵まれたというか、少なくともちゃんと仕事を持って働いている人たちが多いですよね。そういうコミュニティで暮らして、そういう所の情報しか日本に入って来ないように思いますけど、臨床をやっていると、例えばER(救急外来)でホームレスから何から色々な人を診るのです。それは日本でも臨床をしていれば同じだと思いますけれど。日本人の外国に行って戻ってきた人の話とか、日本で聴く、外国はこうですよという情報は、そういう意味ですごくバイアスがかかっているなと。ある意味、当然のことなんですけど、そういうバイアスがあるんだと思って聴かないと、それが全部その国のことだと思ったら危険だと思いますね」

大西
「そうなんですよね。本当に、正しい情報知る、伝えるということは難しいなと思いますね。最近、アメリカの外国人研究員が減ってきたようですが、ひとつは研究費の削減、もうひとつは中国やインドからの研究員が母国に帰るようになったことが原因みたいですよ。アメリカも、今後は優秀な人材の確保が問題になってくるかもしれませんね」

(つづく)

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