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DPC病院のグループ化、報酬格差を付ける意図はない?

1月21日の中医協.jpg 「意図的に階段状にするとか、そういうことではございません」─。全国のDPC病院をグループ化する方針について厚生労働省は報酬格差を付けるためではないと説明したが、本当だろうか。(新井裕充)

 厚労省は1月21日の中央社会保険医療協議会(中医協)総会で、DPC病院を「A」「B」「C」などにグループ化する方針を示し、大筋で了承された。

 審議の建前上は、中医協下部組織のDPC評価分科会で調査・分析することを承認したという形だったが、各委員の発言を聴く限りグループ化の方向でほぼ確定したとも言える。今後は同分科会で詳細を詰めて、具体的な「医療機関群」の設定に議論が向かうだろう。

 この日の中医協で厚労省案に抵抗する姿勢を示したのは、診療側の鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)だけだった。鈴木委員は、「意図しているところは、これ(各医療機関群)を階段状に下げていきたいってことですよね? 違いますか?」と強い口調で厚労省に迫ったが、保険局医療課の迫井正深企画官はこう言い切った。

 「私どもの提案は、医療機関を群でグループ化するところがポイントですが、それを意図的に操作するということではない。(医療機関)群を分ける以上、結果的に差は出るとは思いますが、それはあくまで結果であって、何かを意図する趣旨ではございません。意図的に階段状にするとか、そういうことではございません」

 しかし、全国の病院関係者のうち、果たして何人がこの発言を信用するだろう? グループ化した初年度は大きな差が出ないように「一定幅」を設定し、その後、一気にハシゴを外してしまう。いつものことだ。 

 しかし、格差を付ける厚労省の方針に好意的な意見もある。嘉山孝正委員(国立がん研究センター理事長)は「(A・B・C)3つの病院群を分けるのは結構なことで、私もこれはいいと思う」と賛意を示した上で、さらに一歩踏み込んだ。

 「特定機能病院でもすごく差がある。かえって、差があることが実は健全ではないか。医療資源をすごく投入している所と投入していない所は明らかです。国立大学の手術件数、手術の内容を見ても、大学によってすごく、特定機能病院でも差があります。つまり、特定機能病院でも差があるのを平均しちゃうと、かえって一生懸命頑張っている所が駄目になるんじゃないか。モチベーションが落ちるんじゃないか。日本の医療をかえって萎縮させていくんではないか」

 これにDPC評価分科会の西岡清会長(横浜市立みなと赤十字病院長)はこう答えた。
 「特定機能病院だから一塊にするということではございません。特定機能病院といっても、必ず特定機能病院のグループに入れるかどうか、これも(同分科会で)検証していく。病院のそれぞれの機能、地域特性を考えながらグルーピングができないだろうかということでございます」

 同日の議論について、詳しくは2ページ以下を参照。
 

【目次】
 P2 → 「私どもで資料を作らせていただいた」 ─ 厚労省
 P3 → 「今後さらに具体化の作業を進めたい」 ─ 西岡分科会長
 P4 → 「新しい提案であり一番議論になるだろう」 ─ 遠藤会長
 P5 → 「ぜひやっていただきたい」 ─ 西澤委員
 P6 → 「22年度改定後は白紙との決定だった」 ─ 厚労省
 P7 → 「意図的に階段状にする趣旨ではございません」 ─ 厚労省
 P8 → 「やはり基本的な部分がある」 ─ 厚労省
 P9 → 「中小の医療機関にとってさらに厳しい」 ─ 鈴木委員
 P10 → 「グループで分けた方が適切」 ─ 厚労省
 P11 → 「図の調整係数があまりにも大きすぎ」 ─ 北村委員
 P12 → 「どうやって『基礎係数』を決定するのか」 ─ 嘉山委員
 P13 → 「差があることが実は健全ではないか」 ─ 嘉山委員
 P14 → 「特定機能病院だから一塊ではない」 ─ 西岡分科会長
 P15 → 「検証の仕方が足りないのではないか」 ─ 嘉山委員
 P16 → 「調査、分析については合意が得られた」 ─ 遠藤会長


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