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ニュース〜医療の今がわかる

医療事故調検討会2

 参考人は「医療過誤」被害者家族2人と医療者2人の計4人。それぞれ非常に立派な意見陳述をした。ただし、なぜこの4人が選ばれたのかは、よく分からない。後ほど述べるが、事務局が人選の際、どれだけ網羅的にリサーチしたのか疑わしい。10分しか時間を取らないことといい、参考人というのは所詮その程度の扱いなのかもしれないが、事務局はこの検討会の持つ重大性を分かっていないのではないか。

 1人目の稲垣克巳さんは、「克彦の青春を返して~医療過誤18年の闘い」という本の著者。被害者の心情を訴えるのかと思いきや、死因究明機関では再発防止と被害者救済がなされなければならないと、制度・組織のありかたまで、まるで専門の研究者であるかのような体系立った提言をした。

 あまりに体系的だったので、座長も驚いていたが私も驚いた。と同時に、この種の提言を一人で作れるはずもなく、誰と組んでいるのだろうと訝しく思った。答えは1時間半ほど後にあっさり分かった。検討会委員である加藤良夫・南山大学法科大学院教授が、資料として提出した「医療事故を防止し被害者を救済するシステムをつくりたい」という冊子の説明をしたのだが、そこに載っている「医療被害防止・救済センター構想」と稲垣さんの提言とは、かなりの部分が共通で、なおかつその代表呼びかけ人に稲垣さんが名を連ねているではないか。加藤教授たちの主張が妥当かどうかは別にして、委員が所属しているグループから参考人を呼んで、一体どういう意味があるのか。事務局が、加藤教授の構想に乗って新制度を立ち上げようと、最初から落としところを決めているのでないかと邪推すらできる。

 話を検討会に戻そう。

 樋口範雄東京大学大学院教授が稲垣さんに問う。
「医療被害者には願いがいくつかあって、再発防止と同時に関係した人たちを処罰したいという気持ちもあるはず。今回の提言は前者が強調されていたようだが刑事処分も大事な仕組み。犯罪性が認められるもののみ刑事処分の対象にするというときの、犯罪性をどう認定するのか教えてほしい」

 稲垣
「刑事事件でやると再発防止につなげるのが難しい。犯罪性に関しては、調査委員会が認定すればいいことで、行政処分まで含めて医療界が自ら律してほしい」

 辻本好子・COML代表
「補償費用を、患者が一部負担するのが当然という意味を教えてほしい」

 稲垣
「第一には国の予算による支援を期待し、それから医療・製薬など関係業界の拠出も期待しますが、患者もしくは一般市民も受益者なのだから患者だけが負担しないのはおかしい」

 ここで話が終わってしまったのだが、受益者というのが、「医療」に関してなのか、「補償制度」に関してなのかハッキリしなかった。どちらなのかによって、ベースにある考え方が違うと思う。

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