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ニュース〜医療の今がわかる

後期研修班会議8


渡辺
「2000人に1人というのは、どうやって配置しているのか。ドイツでは強制配置だったかと思う」

ネイバー
「これは世界共通だと思うのだが、医師の多くは文化的なよい地域で働きたいと思っている、貧困地区や僻地はイヤというのが人情。そのために貧困地区では給料が高くなっていて、それがインセンティブになっている。僻地勤務の手当てもある。中には僻地の勤務や貧困地区での勤務を望む人もいる。ある医師が亡くなって家庭医の定員に空きが出ると地方自治体から募集がかかって埋める」

渡辺
「給料が高いという件、給料はNHSから出ていると思うのだが、患者数に応じて支払われるのではないのか、どういう仕組みで支払われるのか」

ネイバー
「給料の体系は非常に複雑で、固定給の部分と患者数に応じて支払われる部分、それから近年は60%は臨床上の成果、アウトカムファクターによって支払われる。その意味では、貧困地区や僻地の給料が非常に高いということではないが、地域によって微妙に体系が異なっていて複雑だ」

土屋
「検査機器はどの程度のものを持っているのか。たとえば血液検査どうしているのか」

ネイバー
「機器は少ない。超音波の装置と血液検査キットぐらい。血液検査は外部のラボに毎日届けている。X線は置いてあるとは限らない。複雑な検査の必要な患者は病院へ行くことになっている」

2番目のスライド

川越
「GPが専門医とは違う見方をするということがよく分かった。日本でも、そういう見方をしなきゃいけないという議論になっている。英国でこういう見方が出てきた歴史的背景を教えてほしい。日本ではホスピスケアとして、こういう見方が必要だと言われてきた」

ネイバー
「歴史的にいうと1850年ごろまでは英国の医師はすべて家庭医だった。それはサイエンスが発達していなかったから。その後サイエンスや技術が発展して1950年ごろまでは最高の医師は病院で働くということになっていた。1954年に極めたて有名な議論が行われた。ロードモレンという王室お抱えの医師が、GPは昇進のハシゴから落っこちた医師だと言って、その見方が1960年ごろまでは一般的だった。英国家庭医学会は1952年にできた。それはGPが劣った専門という考え方に対抗するためで、家庭医というのがどういった特徴があるのか議論して両方に価値があるんだと対等の関係にするまでに、かなりの年数がかかった。ホスピスは1970年代に看護師の〓という人が創設者として動かした。医療的にはGPが緩和ケアの研修を受けてやってきた」

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