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看護基礎教育の4年制化に向け、議論開始

4月28日の看護基礎教育検討会.jpg 保健師、助産師、看護師らが免許を取得する前に学ぶ看護基礎教育の期間を現行の3年から4年に延長する「看護基礎教育4年制化」に向け、厚生労働省は4月28日、「看護教育の内容と方法に関する検討会」(座長=小山眞理子・神奈川県立保健福祉大教授)の初会合を開いた。(新井裕充)

 同検討会は、舛添要一厚生労働相主宰の「看護の質の向上と確保に関する検討会」が3月にまとめた中間報告を受けて設置された。
 中間報告では、「免許取得前の基礎教育段階で学ぶべきことは何かという点を整理しながら、現在の教育年限を必ずしも前提とせずに、すべての看護師養成機関について教育内容、教育方法などの見直し・充実を図るべき」「個々の看護師養成機関の置かれた状況が多様であることに配慮するほか、いわゆる『大学化』についても今後の動向を見極めて対応する必要がある」としている。

 このため、厚労省が「看護教育の内容と方法に関する検討会」の初会合で示した検討課題は、▽免許取得前に学ぶべき事項の整理と具体的な教育内容の見直し▽看護師養成機関内での教育方法の開発・活用▽効果的な臨地実習の在り方▽保健師教育・助産師教育の在り方―となっている。
 今後の進め方(案)には、「看護師3年課程を4年に延長、拡大した場合の教育内容の整理」「看護師3年課程を4年に延長、拡大した場合の教育方法」など、「4年に延長」という文言が入っている。

 意見交換で、羽生田俊委員(日本医師会常任理事)は「3年から4年への延長を前提にしているのがよく分からない。看護基礎教育は、看護師を基本として、その中に保健師や助産師の教育を取り入れるべき。『年数に限らず』とか、『延長』という言葉が出てくるのは納得できない」とかみついた。
 これに対して、医政局看護課の野村陽子課長は、3年課程の養成所を一律に4年制に変える意図ではないことを強調した上で、「現行制度では『3年以上』となっている」とかわした。

 同日の会合では、各委員がさまざまな立場から望ましい看護基礎教育の在り方について発言。「人間性」「コミュニケーション能力」など、これまでの看護に関する検討会で出されたような抽象的な意見が相次いだため、「これまでの議論の上に(本検討会の議論を)積み上げないともったいない」など、4年制に向けた議論を急ぐ意見も出された。

 一通り委員の発言を終え、予定の終了時刻10分前になったところで羽生田俊委員が再び口を開いた。
 「私は4年制を否定している訳ではない。3年制が4年制になった途端に、どれだけの養成所が閉校してしまうか、たたんでしまうかということを非常に心配している。(看護基礎)教育について、ここまで必要だから4年間必要だという議論を否定している訳ではない。その点だけはご理解いただきたい」
 羽生田委員がこのように述べると、緊迫した表情だった委員らが一様に笑みを浮かべた。

 次回の会合は5月26日に開かれる予定。厚労省は同検討会と並行して、「新人看護職員研修に関する検討会」を4月30日に開催する。
 看護系大学の教育カリキュラムの見直しについては、厚生労働・文部科学両省の合同会議が既に2回開催されており、保健師、助産師、看護師らの養成制度が大きく変わりそうな展開になっている。


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