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「400床以上の病院」は合格圏内―中医協・DPC評価分科会09年度第4回

6月8日DPC評価分科会1.jpg 2010年度の診療報酬改定に向け、DPCの在り方について検討している中医協・DPC評価分科会(分科会長=西岡清・横浜市立みなと赤十字病院長)が6月8日に開かれ、「新たな機能評価係数」について審議を進めた。最大の焦点だった「現在の調整係数と新たな機能評価係数との相関関係」については、医業収支に与える影響を考慮せずに両者を切り離した形で選定作業を進める方針で合意した。(新井裕充)

 同日の議題は、「調整係数の廃止に伴う新たな機能評価係数の検討について」の1項目。

 懸案だった「退出ルール」をめぐる議論が決着したため、DPC病院のデータに基づく本格的な審議に入った。

 同日の分科会で厚生労働省が示した分析結果をまとめると、▽特定機能病院 ▽400床以上の病院 ▽専門病院―のいずれかに当てはまる病院類型が合格圏内。これらの病院は、「調整係数」が廃止されてもなお、「新たな機能評価係数」で補填される可能性が高いといえる。

 「新たな機能評価係数」をめぐる議論では、経営上の"重み付け"を考慮した上で選定作業を進めるべきとの意見も出たが、議論の末、厚労省が"土俵際"で退けた。
 ※ 議論の内容は、こちらをご覧ください。

1. 病院機能係数の考え方について⑧(松田研究班)
 「新たな機能評価係数」の議論に先立ち、前回の宿題事項だった「救急」「副傷病」について、松田晋哉委員(産業医科大医学部公衆衛生学教授)が「病院機能係数の考え方について⑧」を提示した。

 「救急」については、5月14日の前回会合で、相川直樹委員(財団法人国際医学情報センター理事長)がデータの分析を求めていたことに応えたもの。
 ※ 詳しくは、こちらをご覧ください。

2. DPC病院における薬剤師の病棟業務に関する実態調査
 次いで、佐藤博委員(新潟大教授、医歯学総合病院薬剤部長)が、「DPC病院における薬剤師の病棟業務に関する実態調査(平成21年3月)」と題する日本病院薬剤師会の調査結果を報告した。

 佐藤委員は、病棟薬剤師数が多い施設の方が平均在院日数が短い傾向があるなど病棟薬剤師が果たす役割を強調し、「新たな機能評価係数」での評価を求めた。

 現在、「新たな機能評価係数」の候補の1つに、「医師、看護師、薬剤師等の人員配置(チーム医療)による評価」が残っている。前回会合で嶋森好子委員(慶應義塾大看護医療学部教授)は、専門看護師の配置などを評価することを改めて求めたが、他の委員は相変わらず関心を示さなかった。

 西岡分科会長も、「(チーム医療にかかわる)病棟の人員配置は薬剤師をイメージしている」と発言している。

 看護配置の評価をめぐっては、2006年度改定で創設された「7対1入院基本料」が地方の看護師不足を加速させたとの反省から、委員も消極的になっているように見える。

 しかし、病棟薬剤師の配置を高く評価すると、今度は地方病院の薬剤師不足を引き起こすのではないかが懸念される。委員からは、卒後1年目の薬剤師を配置数としてカウントすることに否定的な意見が出ている。
 ※ 委員の発言要旨は、こちらをご覧ください。

3. 各項目の評価指標の検証
 厚生労働省は、「各項目の評価指標の検証・基礎データ」を示して意見を求めた。これは、「病床規模が多ければ症例数も多い」「平均在院日数が最も短いのは400床以上の病院」など、各DPC病院の特性と症例数、平均在院日数などとの関係をグラフで示したものだが、各項目が病院の医業収支にどのような影響を与えるかが分からない。

 このため、池上直己委員(慶應義塾大医学部医療政策・管理学教授)が、現在の「調整係数」と「新たな機能評価係数」との相関関係が分かるデータを示すことを改めて要望した。

 これに他の委員も同調。「全体的な収支が見えないのでイメージがわかない」「目隠しをして象を撫でるような議論」など不満の声が相次ぎ、「医療崩壊」との言葉も飛び出たが、最終的に厚労省サイドが振り切った。

 西岡分科会長と厚労省は、「調整係数」の廃止による経営上のマイナス分と、「新たな機能評価係数」の導入によるプラス分とは相関しないことや、両者を切り離して考えることを改めて説明。しかし、「調整係数」の廃止はDPC病院の経営に重大な影響を与えるため、この日は他の委員も池上委員の主張に加勢したように見えたが、"シナリオ通り"との見方もできる。

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