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救急受け入れ、小規模病院で好成績―中医協・DPC評価分科会

長谷川学課長補佐(中央)0608.jpg 「病床規模が小さい病院の方が、救急車による緊急入院の割合が高い」―。救急患者の受け入れが困難なケースが問題となる中、入院ベッド数が200床程度の小規模病院が積極的に救急患者を受け入れている実態が明らかになった。救急医療をどのように診療報酬で評価すべきか、今後の動向が注目される。(新井裕充)

 6月8日の中医協・DPC評価分科会(分科会長=西岡清・横浜市立みなと赤十字病院長)で、松田晋哉委員(産業医科大医学部公衆衛生学教授)は救急医療について分析した資料を示した上で、次のように述べた。

 「(全体を)一言でまとめて言うと、規模の小さい病院の方が深夜帯や土日の患者さんの割合が高いが、その中で、実際に48時間以内に何らかの手術等を行ったかという観点で見ると、逆に特定機能病院(大学病院)など、規模の大きい病院で、そういう患者さんを受け入れているという実態が明らかになった」

 松田委員の分析によると、深夜や休日に救急を受け入れている割合は小規模の病院が高いが、救急を受け入れても手術につながる割合は低かった。

 これに対し、大学病院など規模の大きな病院では、深夜や休日の救急受け入れは積極的ではないが、いったん受け入れて入院した患者に対しては、手術などの処置をしている割合が高く、"効率の良い受け入れ"を行っていた。

西岡清分科会長(右)0608.jpg この分析結果に従えば、夜間や休日の救急医療を診療報酬で手厚く評価すべきなのは、ベッド数が少ないながらも、収入増に直結しない軽症患者を受け入れている小規模病院であるとも言える。

 しかし、同日の分科会で厚生労働省が示した資料では、▽病床規模が大きければ大きい程、救急車の搬送が多い ▽病床規模が小さくなるにつれて、緊急入院患者数は少なくなる ▽病床規模が大きくなれば、患者数は増える―などとしている。

 質疑で、オブザーバーとして出席した邉見公雄氏(赤穂市民病院長、全国自治体病院協議会会長)が、「土日の入院が小さい病院で多いという説明があったが......」と確認したところ、松田委員は「差がない」と言い直している。

 資料の説明の中でも、松田委員は「大学病院とナショナルセンターで低く、それ以外はあまり差がないと見る方がいいのかもしれない」と、ややぼかした言い回しをしている。

 その上で、「例えば小児救急がきちんとできるためには、小児科医だけがいても駄目。基本的には、全科当直。耳鼻科がないと駄目だし、整形がないと駄目。そうすると体制をどう評価するかということになる」として、医師の配置などを評価するよう提案した。

松田委員2_0608.jpg 松田委員は、厚生労働科学研究「包括払い方式が医療経済及び医療提供体制に及ぼす影響に関する研究」 班(通称:松田研究班)の主任研究者(班長)を務めており、同分科会から依頼された分析などを行っている。

 松田委員の"模範回答"に対して、西岡分科会長は笑みを浮かべながら、「ということからすると、やはり救急『体制』の評価というものを、どこかに入れていく」と返した。

 松田研究班の分析に基づけば、小規模の病院を「新たな機能評価係数」で評価する方向に傾くはずだが、むしろ医師や看護師らの人的資源が十分な病院を評価する方向に議論が進んでいる。

 救急医療の評価をめぐっては、5月14日の前回会合で、相川直樹委員(財団法人国際医学情報センター理事長)が次のように指摘し、松田委員にデータの分析を求めていた。

① 当直医が少ない病院は、深夜・休日などに緊急入院を取れない。昼間は救急患者に対応できるが、夜間は断る病院があるので、このような病院を区別するため、深夜・休日などに業務当直の医師を配置しているかによって救急医療の質を評価すべき。
②「手術中だから」という理由で受け入れを断られるケースが問題となっているので、「入院したかどうか」ではなく、「受け入れてから24時間以内に手術が行われたかどうか」で評価すべき。

 今回の松田委員の分析は、相川委員の要望に応じたもの。厚労省の担当者は「入院から手術までの時間を把握できるデータはないが、『日数単位』のデータはある」と回答していた。

 これを受けた6月8日の分科会での厚労省と松田委員の説明、これに対する委員の発言要旨は以下の通り。なお、データの提出を求めた相川委員は欠席だった。

 ※ 配布資料は、厚生労働省のホームページで。


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