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ニュース〜医療の今がわかる

地域医療の荒廃、「選択と集中」が原因

■ 「さまざまな配分の見直しが考えられる」 ─ 厚労省
 

[糠谷真平部会長(国民生活センター顧問)]
 では、議事に入らせていただく。

 本日の議題(改定に向けた検討、高齢者医療制度の見直し、.国民健康保険の財政基盤強化策、その他)の1つ目として、「平成22年度の診療報酬改定に向けた検討について」が挙がっている。

 事務局(保険局総務課)より、資料の説明をお願いしたい。多くの委員にできる限りご発言いただくため、説明は簡潔にお願いしたい。それでは、どうぞ。

[厚労省保険局総務課・神田裕二課長]
 それではまず、お手元の資料1─1に基づいて、平成22年度診療報酬改定に向けたスケジュールについて(案)について説明する。

 (中略。社保審の医療部会と医療保険部会の開始時期が前回よりも2か月早いことが違うだけで、それ以外は同じであることを説明。診療報酬改定の基本方針は、11月を目途に取りまとめるとのこと)

 続いて、診療報酬改定等について政府で閣議決定されている内容等について、簡単にご説明させていただく。

 お手元の資料1─2をご覧いただきたい。持続可能な社会保障構築とその安定財源確保に向けた「中期プログラム」の抜粋。これは、政府が当面の景気対策と景気状況の好転後における中期の財政責任、それから社会保障の安心強化に向けた取り組みの方向性を昨年末(12月24日)に閣議決定として明らかにしているもの(6月23日に一部改正)。

 そのポイントだけ申し上げる。まず、1(.堅固で持続可能な「中福祉・中負担」の社会保障制度の構築)の(1)について。

1. 「中福祉・中負担」の社会保障制度
 
 「社会保障国民会議」の最終報告(08年11月4日)などで、社会保障制度の諸問題や「中福祉」にほころびが生じていることが指摘されているため、「中福祉」の実現を図ることとしている。

2. 機能強化と効率化

 「社会保障国民会議」の最終報告で、(中福祉の実現に向けて)医療・介護機能の強化を目指すことになっている。そのためには財源が必要になるが、それは「同時進行」で行っていく。「中福祉」の実現に向けて医療・介護の体制の充実など機能強化と効率化を図る。

 具体的には、別添の工程表で示された改革の諸課題を軸に、制度改正の時期も踏まえて検討を進め、必要な費用について安定財源を確保した上で、段階的に内容の具体化を図るとされている。

 (中略)

 ▼ 社会保障の機能強化の別添表によると、医療分野は、①急性期医療の機能強化 ②医師等人材確保対策─の2本柱。「急性期医療の機能強化」に対応する重点策として、「救急・産科等の体制強化」が挙げられている。

3. 「選択と集中」の考え方
 
 続いて、(資料)1─3「経済財政改革の基本方針2009(抄)」について。いわゆる「骨太方針2009」だが、先ほど申し上げたような方針が「骨太方針2009」の中でも確認されている。

 2ページ(第3章 安心社会の実現)で、社会保障の「ほころび」に対応することが書いてある。「安心社会実現の道筋」では、(安心社会の実現を)3つの局面に分けて進めることになっている。

 09年度から2011年度ごろまでは、先ほど申し上げた「中期プログラム」で、社会保障の強化・効率化をするということになっている。そのうち、重要事項については「優先課題」を軸に着実に実行に移す。

 ということで、「優先課題」が別紙の1に出ている。特に、診療報酬改定に関する記述について言うと、「2010年度に見込まれる診療報酬改定において、『選択と集中』の考え方に基づき、診療報酬の配分の見直しを行うとともに、救急、産科等の体制強化などの方策を検討する」とされている。

 ちょっとコメントさせていただく。

 「診療報酬の配分の見直しを行う」とあるが、これは「社会保障国民会議」の最終報告などにおいても指摘されているが、わが国の医療提供体制というのは、「機能分化が不明確である」とか、「医療現場の人員配置が手薄である」などの問題を抱えているということで、これが救急とか産科の問題につながっているということ。

 従って、「社会保障国民会議」の最終報告などにおいては、例えば、急性期病院について人員配置を重点化・集中化するなど、「思い切った資源を集中すべき分野」については、思い切った投入を行う。

 一方、資源を特定の分野に集中するためには財源が必要になるので、そのために新たな負担を求めていくことについて国民の理解を得ていくためには、「効率化すべきものは効率化する」という考え方が示されているところ。診療報酬においても、配分の見直しが必要という趣旨を述べている。

 あらかじめ申し上げておくと、前回の診療報酬改定では、「病院と診療所間の配分見直し」ということが議論になったが、(今回の改定では)それも含まれるということだが、(診療所・病院という)「特定のものを指している」ということではなく、例えば、一般病床における急性期への重点化や診療科間の重点化など、さまざまな配分の見直しが考えられる。 (中略)

 別紙の2、「中期プログラム」の別添工程表で示された諸課題への対応策の具体化について医療の分野では、急性期期医療の機能強化や在宅医療等地域で支える医療・地域連携の強化などが謳われている。私からは以上。

[医政局指導課・三浦公嗣課長]
 引き続いて、医政局の指導課長でございます。お手元の資料、1─4( 「安心と希望の医療確保ビジョン」とりまとめ)、1─5(「安心と希望の医療確保ビジョン」具体化検討会中間とりまとめ)、1─6(救急医療等の医療体制に係る現状と課題について)を用いて、ご説明を申し上げる。

 (中略)

 ......必要がある、こういうような指摘が、先ほど申し上げたような、検討会などで指摘されているところでございます。少し長くなりましたが(約20分)、救急医療等に関する現状、また、課題については、以上でございます。

[保険局医療課・小野太一保険医療企画調査室長]
 医療課の保険医療企画調査室長でございます。資料1─7(平成20年度診療報酬改定の結果の検証)、資料1─8(終末期相談支援料)について、私からご説明を申し上げる。

 (中略)

 続いて資料1─8について。最後に説明した「終末期相談支援料」について、若干おさらいのような資料。(医療費の抑制を目的とするものではないかとの)誤解や、(患者・家族に選択を迫ることにつながるものではないかとの)不安があったので、平成20年7月1日から算定を凍結しており、先ほど説明したような検証を実施するということになり、(対象を)75歳未満に引き下げることも含め、今後検討することとされている。

 (中略)

 平成20年度1月、中医協に対する(厚生労働大臣の)諮問では、「(答申に当たっては、診療報酬改定の基本方針と)「後期高齢者医療の診療報酬体系の骨子」(平成19年10月10日社会保障審議会後期高齢者医療の在り方に関する特別部会)に基づき行っていただくよう求めます」という諮問がなされて、この点数(終末期相談支援料)が設けられたという経緯があった。以上。

[糠谷真平部会長(国民生活センター顧問)]
 ありがとうございました。大変、広範な分野を資料でご説明いただいた。ただ今の資料や説明について、ご自由に意見交換をしていただきたい。

 本日の資料の「中期プログラム」「経済財政改革の基本方針2009」で指摘されている「救急・産科等の体制強化」や「診療報酬の配分の見直し」など、私どもが検討していくべき課題、これからの議論の進め方などについて幅広くご意見を伺いたい。どうぞ、よろしくお願いいたします。

 (日本医師会常任理事の藤原淳委員が挙手)

 【目次】
 P2 → 「さまざまな配分の見直しが考えられる」 ─ 厚労省
 P3 → 「全体的に見ていかなければならない」 ─ 日医
 P4 → 「昨今の経済情勢や健保組合の財政に配慮すべき」 ─ 経団連
 P5 → 「医療は『選択と集中』よりも『分散と公平』で」 ─ 樋口委員

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