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中央社会保険医療協議会 (中医協) ― 09年度第9回(7月15日)

■ 特許期間中の新薬の薬価改定方式(薬価維持特例)
 

[遠藤委員長(中医協会長)]
 それでは、「特許期間中の新薬の薬価改定方式について」を議題とする。前回6月3日、当部会において関係業界からの意見聴取を行った。

 日本製薬団体連合会(日薬連)が提案している特許期間中の新薬の薬価改定方式(薬価維持特例)について、いろいろ議論した。これに関連して、事務局(保険局医療課)および専門委員から資料が提出されている。

 まず、事務局と専門委員から一通り説明を聴いた上で、議論を始めたいと思う。ではまず、事務局から説明をお願いしたい。(略。事務局の資料は以下の通り)

< 製薬業界が提案している新薬の薬価改定方式 (論点案) >
 

 標記については、これまで、業界意見陳述も含め、5回の審議を行ってきたが、制度設計の詳細やその妥当性に関する説明が必ずしも十分とは言い難く、現時点では、その導入の可否を判断するための材料が不足していると考えられる。
 しかしながら、その判断のためにも、仮に薬価維持特例を導入するとした場合の問題点やその解決策等について一定の共通認識を持つ必要がある。
 そこで、これまでの意見を以下の論点案としてまとめたので、これに沿って議論を進めることとしてはどうか。

[論点案]
 
1. 薬価維持特例を導入する必要性

 薬価維持特例を導入する必要性については、製薬企業の経営状況や、新薬の研究開発・供給の状況を勘案した上での検討が必要ではないか。

2. 薬価維持特例の導入による患者等へのメリットを確保するための方策

 ① 製薬業界は医療上必要性の高い未承認薬・未承認適応についてその開発・上市を目指すとしており、その実効性を担保する方策として、定期的に中医協にその進捗状況を報告することとしているがそれでよいか。

   報告の結果、国が要請した未承認薬・未承認適応の開発・上市を適切に進めていない企業については、薬価維持特例の対象品目があっても、当該品目への薬価維持特例の適用について厳しい対応を考えざるを得ないのではないか。

 ② ドラッグラグを起こさないよう、我が国での開発・上市を適切なタイミングで行っていることや、古くから使われるなどして採算性が悪くなっているが医療上必要性の高い医薬品の安定供給を適切に行っていることについて、薬価維持特例の適用を考える上で、特段の評価を検討できないか。
 
3. 薬価維持特例の対象品目、期間等の考え方
 
 ① 薬価維持特例の対象となる医薬品の範囲について、製薬業界は市場の評価を重視し、加重平均乖離率を超えないものを対象に現行薬価を維持すべきと主張しているが、革新的新薬を評価するという視点からこれが適切と考えられるのか。

 ② 薬価維持特例の期間について、製薬業界は、後発品が薬価収載されるまでか、後発品が出なくても最大15年としているが、長すぎるのではないかとの指摘もあり、今後整理が必要ではないか。

 ③ 製薬業界は不採算品再算定品目も薬価維持特例の対象とすべきと主張しているが、その財政影響のシミュレーションが提出されていないことも考えると、当面、特許期間中または再審査期間中の新薬を中心に検討してはどうか。

4. 後発品の使用促進との関係
 
 ① 薬価維持特例の導入が、後発品の使用促進にマイナスの影響を与えないかどうか、また、後発品が過度に安い薬価で収載され、供給不可能とならないか、という点に留意しつつ、薬価維持特例終了後の後発品の薬価算定方法についてどのような方法が適切と考えられるか。例えば、以下の案を基礎として検討してはどうか。

  後発品の収載時薬価及びその薬価改定については、
  (案1)  (先発品薬価―「先発品薬価の薬価改定猶予分」)× 0.7で収載し、
       その直後の改定では、当該後発品の市場実勢価により改定する。

  (案2)  先発品薬価×0.7 で収載し、その直後の改定では、
       「先発品薬価の薬価改定猶予分の率」に「当該後発品の市場実勢価による引下げ分」を
       加えて、後発品の薬価を引き下げる。特例終了後の後発品の算定法.jpg

  ② 後発品の使用促進が計画通り進まない場合、製薬業界は制度導入に伴う財政影響を補填する方策として既収載品の薬価を引き下げることはやむを得ないとしているが、どのような方法が考えられるのか。例えば、以下の案を基礎として検討してはどうか。

  (案1)  後発品のある先発品のすべてを一定率引下げ

  (案2)  後発品のある先発品と後発品のすべてを一定率引下げ

  (案3)  薬価維持特例の対象となる先発品について薬価維持の水準から一定率引下げ

5. その他
 
 ① 薬価維持特例を仮に導入するにしても、その財政影響の程度や未承認薬・未承認適応の解消状況など上記の点のフォローを行うこととし、試行的な実施ということも検討してはどうか。

 ② このほか検討すべき項目は何かあるか。また、今後議論を進めていく中で、必要があれば検討項目を適宜追加することとしてはどうか。

 ▼ 上記の整理に沿って、改めて業界代表からのヒアリングを実施することで合意した。「薬価維持特例」の導入に強く反対する日医の姿勢は変わりそうもない。

 ※ 詳しくはこちらをご覧ください。

 【目次】
 P2 → DPC「新たな機能評価係数に係る特別調査案」
 P3 → 慢性期入院医療の包括評価調査分科会の課題等
 P4 → 「社会医療診療行為別調査」と「メディアス」との乖離
 P5 → 保険医療材料制度に関する意見
 P6 → 薬価算定組織からの意見聴取
 P7 → 特許期間中の新薬の薬価改定方式(薬価維持特例)
 
 
 
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