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ニュース〜医療の今がわかる

ハイリスク出産、「早産」より「低出生体重」に多く

 昨年に相次いだ妊婦の救急受け入れ困難の問題をめぐる報道では、早産となった妊婦が周産期母子医療センターに救急搬送されるシーンが目立ったが、実際に「ハイリスク」と言われる出産は、早産よりも、小さく生まれる「低出生体重」ケースの方が多い。新生児医療を専門にする東京女子医大の楠田聡教授が「日本の新生児の運命」と題したフローチャートで示した。(熊田梨恵)


 東京都が7月22日に開いた、NICUに長期入院する子どもの退院支援を考える有識者会議で、医療が必要な新生児の現状について報告した。「我が国の周産期医療は向上している」と述べた上で、現在の医療提供体制はNICU不足の問題を抱えていると指摘。「入院している子どもがもう少しいい形でのケアを受けられれば」と、在宅医療や施設の整備など長期入院児への退院支援策が必要と主張した。
 楠田教授が示した資料「日本の新生児の運命」で、子どもが1万人生まれた場合のリスクや入院、死亡の割合などについてフローチャートで分かりやすくまとめられていたため、お伝えしたい。
 以下は楠田教授の報告内容。
 

[楠田聡教授]
日本で1万人子どもが出生するとどうなるかをフローチャートにまとめてみた。

日本の新生児の運命.JPG


いわゆる「ローリスク」という、出生体重が2500グラム以上のそれほど問題がない子が約9000人。「ハイリスク」と言われる低出生体重児、あるいは37週未満で生まれる早産児。低出生体重児の方が多くて、早産児の方が絶対数としてはちょっと少ない。日本の子供は早く生まれることも問題だが、それより出生体重が少ないことが問題。小さく生まれる場合の内訳はその上。

通常の新生児として医療の介入を受けずに退院する子と、NICU以外のどこかで新生児管理を受ける子と、NICUで管理を受ける子どもがいる。NICUに入院する子どものうち、2.3人という数字があるが、やはり2、3人が長期入院になるんだろうと。そのうちの1人か2人の方にはやはり支援が必要だし、そのままNICUで亡くなる方も1人ぐらいはいらっしゃる。1歳になると、1万人だったのが9974人になって、5歳になると9964人に減っている。最終的に脳性マヒの子どもが20人ぐらいいるので、先ほどの長期入院の子どもたちも含めて、こういう子たちへの療育というのが必要ということになる。

1-4歳で10人亡くなると言ったが、その内訳をみると、慢性疾患5人、急性疾患3人、外因死が2人。慢性疾患が多いのは、残念ながら悪性腫瘍とかなので治療が不可能だが、急性疾患はまだ救命可能。外因死は交通事故とかだが、いまだにお風呂の中で溺死する子どもも多いので、この辺はまだ減らせるかなと。

子どもが1万人生まれたとして、東京だと10万人になる。この(1万人の)うち330人がNICUに入り、2-3人が長期入院になる。
 
 
■NICUの現状、問題点などを知りたい方はこちら⇒誌面アーカイブ 30人に1人に必要-赤ちゃんのNICU
 
 
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