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ニュース〜医療の今がわかる

「誘導するデータを厚労省は出してはいかん」 ─ 実調めぐり火花

■ 「日医としては勤務医の給与が低いと思っている」 ─ 安達委員
 

[安達秀樹委員(京都府医師会副会長)]
 嘉山委員と同じ趣旨ですが、今の白川委員のご質問もございますので、時間が押しておりますがほんのしばらくお時間を頂戴して、その件を申し上げたいと思います。

 従来ですと、日本医師会の委員がおりましたけれども、今回はおりません。それで、日本医師会の日医総研をはじめとして分析をしたものを昨日、日本医師会は記者会見で発表しております。
 日本医師会の意向としては、病院の先生方皆様にも、日本医師会からお送りさせていただくということでございます。また、政務三役にもお届けをするということでございます。

 (医療経済実態調査の分析について)まとめだけ、本当に簡単にご紹介します。

まとめ (医療経済実態調査の分析・P24)
・ 医療経済実態調査は、一部の医療施設を対象にした非定点調査である。このため、医業収益だけ見ても、全国の実態を表わす「メディアス」の傾向とは大きな乖離がある。医療経済実態調査で経年比較を行うべきではない。
・ 医療経済実態調査は、これまで6 月1 か月分の損益等を調査してきた。費用によっては直近事業年の金額の12 分の1の額を記入するものもあり、経営の実態を正確に示すものとは言えなかった。そこで、日本医師会は改定前後の決算データを調査すべきであると主張してきた。その結果、今回、直近1年分の決算データが調査されるに至った。今後は経年比較を可能にすべく、調査対象医療機関に改定前後2年分の決算データを記入していただくようにすべきである。
・ 日本医師会が「TKC 医業経営指標」をもとに、民間病院781 施設、民間診療所3,705 施設を対象に計算したところ、2008 年度の損益分岐点比率は病院94.4%、診療所95.0%であった。医療経済実態調査においても、損益分岐点比率は一般病院105.2%(医療法人は96.6%)、診療所93.8%である。病院だけではなく、診療所の経営も危機的状態にある。
・ 国公立病院は赤字である。地域の中核医療やへき地医療を担うなど、経営困難な状況にあることも事実であるが、一方で、国公立病院の看護職員の給与は民間個人病院の1.2~1.4 倍、事務職員の給与は1.8~2.0 倍である。国公立病院においても、民間病院と同じような経営努力は不可欠である。
・ 医療経済実態調査が発表され、経営者である院長(病院長)と病院勤務医の給与に注目が集まっている。しかし、院長には経営責任があることを考慮すべきである。またこれまで日本医師会が主張してきたように、他の職種等と比べて病院勤務医の給与が低いことに注目すべきである。
 従来から申し上げておりますが、「医療経済実態調査」で経年比較は行えないだろう。(厚労省の)「メディアス」(medias、医療費の動向)とも乖離するだろうというのが1点。
それから、2番目は以前から申し上げておりますが、経年比較をやることが必要であることは言うまでもないので、改定年の前年の1年と後の1年、2年の決算データがあるほうが解析はしやすい。(中略)

 日本医師会としては基本的に、「勤務医の皆さんの給与が低いと思っている」ということを申し上げておりますので、およそ24ページになるもの(医療経済実態調査の分析)が、それぞれの委員の元に日本医師会から発送されますので、お目通しを願いたいということを申し上げたいと思います。

 そのこととは別にですね、今回、私が地域の医師を代表する委員であるという認識でご選定いただいたと思っておりますので、私自身の見解を別に述べさせていただきたいと思います。


 【目次】
 P2 → 注目される西澤委員のスタンス
 P3 → 「実態と離れている」 ─ 嘉山委員
 P4 → 「日医としては勤務医の給与が低いと思っている」 ─ 安達委員
 P5 → 「回収のバイアスがあるのではないか」 ─ 安達委員
 P6 → 「平均値より上にたくさんのプロットが落ちるのでは」 ─ 安達委員
 P7 → 「2号側全体で統一はなかなか難しい」 ─ 西澤委員
 P8 → 「誘導するようなデータを出してはいかんよ」 ─ 嘉山委員

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