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ニュース〜医療の今がわかる

「誘導するデータを厚労省は出してはいかん」 ─ 実調めぐり火花

■ 「実態と離れている」 ─ 嘉山委員
 

[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
 (約10分間の休憩後)はい、それでは委員の皆様、お揃いですので、引き続き(基本問題小委員会の)審議に移りたいと思います。「再診料について」を議題といたします。嘉山委員から関連資料が提出されているので、嘉山委員から説明をお願いしたいと思います。

[嘉山孝正委員(山形大学医学部長)]
 前回(11月4日)、申し上げましたが、国民に正しい情報を提示して議論するのがこの中医協だと思っています。前回、厚生労働省から出てきた(医療経済実態調査の)開業医の先生方の所得についてです。
 翌日、日本経済新聞社から「(開業医の年収、勤務医の)1.7倍」という見出しで出ていましたが、あのようなこと(調査)でいろいろな議論をしても、実態と離れている。

 ▼ 日経の報道では、「開業医の平均月給(2009年6月時点)は208万円で前回調査(07年6月時点)からほぼ横ばい。病院勤務医は123万円で4.5%増えた」としている。「123万円」という数字は、「医療経済実態調査」の一般病院(集計1)のデータ(区分・全体)で、「208万円」は一般診療所(集計2)のデータ(区分・全体)を使用したものと思われる。

 これ(資料)は日本医師会が作ったデータですが、これはもっともなことだと思っています。この表にありますように、(開業医40歳~44歳の年収)は、退職金とか社会保険料とか税金とか借入金とか、そういうものが引かれていない金額が厚生労働省で出しているので、ちょっと誤解を生むのではないかと思います。

 ▼ 社会保険料や税金などを除いた「手取り年収」で比較すると、勤務医(40~44歳)は970万円、開業医(同)1270万円としている。

 この会で(年収データを)出すのであれば、厚生労働省としては、(社会保険料や税金など)こういうものを含めた実態を出していただきたいということで、これを出させていただきました。こういうことを前提にして、今日の初診料・再診料の議論をするのがいいのではないかと思って、会長の許可を得て出させていただきました。以上です。

[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
 はい、ありがとうございました。従来より、個人の診療所についての収入、所得の問題というのは、まあ、こういうことが随分議論になっている。今回、そういうことで、診療所につきましても、医療法人を別枠で取ったという経緯があるということだけを申し伝えておきたいと思います。

 ▼  医療経済フォーラム・ジャパンが10月10日に開催した公開シンポジウム「診療報酬改定の方向性」で、遠藤会長は「医療法人の診療所と病院を比較すれば診療所と病院の収支率の差が明らかになる」と述べた。詳しくは、こちらを参照)

 はい、白川委員、どうぞ。

[白川修二委員(健保連常務理事)]
 嘉山委員からの資料を昨日頂戴いたしましたけれども、これは2年前に日本医師会がまとめた資料の一部と理解しております。質問したかったのは......。

 この数字自体は日本医師会の発表でございますので、それはいいんですが......。先日発表されました「医療経済実態調査」についての診療側の見解は、これとは別に出ると考えてよろしいですか?

 ▼ 嘉山委員が日医の主張を代弁したので疑問に思ったのだろう。日病協の2人も足並みを揃えて診療側がまとまったとしたら支払側としてはやりにくいが、まさかそうは思っていないはず。

[安達秀樹委員(京都府医師会副会長)]
 会長......(挙手)

[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
 はい、嘉山......、安達委員、どうぞ。


 【目次】
 P2 → 注目される西澤委員のスタンス
 P3 → 「実態と離れている」 ─ 嘉山委員
 P4 → 「日医としては勤務医の給与が低いと思っている」 ─ 安達委員
 P5 → 「回収のバイアスがあるのではないか」 ─ 安達委員
 P6 → 「平均値より上にたくさんのプロットが落ちるのでは」 ─ 安達委員
 P7 → 「2号側全体で統一はなかなか難しい」 ─ 西澤委員
 P8 → 「誘導するようなデータを出してはいかんよ」 ─ 嘉山委員

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