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軽症患者は勤務医の敵? ─ 11月27日の中医協

■ 「慎重にしてほしい」 ─ 勝村委員
 

[勝村久司委員(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)]
 論点の2番と3番について。

○ 論点
1 病院勤務医の勤務負担軽減のために、医療機関が勤務医の勤務負担状況を把握し、勤務医負担軽減策を作成・周知し、適切な方策を取れるように診療報酬上の工夫を行うことについて、どう考えるか。
2 病院勤務医の勤務負担軽減のために、複数の家族が説明を求めた場合や、患者側の都合による時間外の病状説明について、患者や家族に協力をお願いする方策を取ることについてどう考えるか。
3 病院勤務医の勤務負担軽減のために、軽症の患者が自己都合(仕事等)により救急病院等を時間外に受診した場合について、患者に協力をお願いする方策を取ることについてどう考えるか。
 もちろん私は救急医療とかを特に充実していくべきだと思っていまして、病院勤務医の負担軽減ということをずっとやっていかなくてはいけないという立場なんですが......。

 ですけれども、2番、3番のような論点という動きに関してはぼくは慎重にしてほしいという意見を述べさせていただきます。私も高校の教員をしておるんですが、生徒たちの中には一見大した悩みではないような悩みを繰り返し相談に来る生徒がいたり、非常に物分かりが良くて手間のかからない優等生もおります。懇談は6時までですが、「どうしても9時か10時までやってもらえないか」と言う保護者もいるわけです。

 それが、「わがままだ」と思ってしまうのか、「そういう生徒や保護者がいるために教師の仕事が大変なんだ」と、「何とかそういう生徒や保護者がなくなれば教師の仕事は楽なのになあ」というふうな発想というのはちょっと学校では持っていないと思うんです。

 やはりそういう保護者、生徒にもいろいろな背景や家庭環境、経済状況、払えない生徒がかなりいて、そういうところから実はかなりいろんなことが分かってくることがありますので、学校の教師が、物分かりの良い生徒(ばかりで)、何度も説明しなくてはいけない生徒がいなくなればそれが自分たちがもっと楽になれる、本来の仕事に戻れるというふうに、そういう仕事を仕事ではないと思ってしまうと、やっぱり医療も教育も人間を相手にする仕事だと思いますので、そういう患者が差別化されてしまうことになってほしくないという思いがあります。

 なので例えば、何度も説明を求める患者もいる、複数の親に別途聴く......。もちろん時間調整をしていただくように努力してもらったらいいんでしょうけど、「先生の都合はこうです」、「この先生はこうです」とやっていくのもあるんでしょうけど、それでもいろいろある。だからこそ、勤務医が大変だと、だからこそ事務に手厚くしようというような発想になってほしいなあという感じがします。

 そういう方向だから、医療者、勤務医を応援しようという気持ちになっていると思いますので......。実は最近、つい1、2年前ですが、ぼくは救急車を呼んだことがあるんですよ。
 朝から我慢していたんですけど、仕事を休んで行こうと思ってたんですが、どうしても急激に、7時か8時に激痛がしてのたうち回ったので、家族が救急車を呼んで近くの公立病院に行ったんですが、ちょうど混み始めるころだったので、「救急車で来たら順番に並ばなくてもいいと思ったのか」という言い方をされて、たぶんそれは尿路結石だったんですが、薬を使えばすく帰ってよろしいという感じで、実際、それでよかったんですが、なんかこう......、そういう患者に対していろいろこう......。

 一部の患者に対して、しんどい勤務医だからこそ敵視してしまう。学校も非常に荒れてきた時に、一部のなかなかこう、生活指導的に大変な生徒を敵視してしまうということでは、やっぱりその生徒も生徒なんであって、それも患者なんであって......。ちょっとその辺り、そんなふうになってしまわないような慎重さというのをお願いしたいと思います。

 ▼ 発言が終わると同時に、診療側4人の委員が一斉に挙手。

[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
 勝村委員、1つだけ確認させていただきたい。(論点)2と3両方なんですね? (説明協力に関する論点)2については、よく分かったのですが、(受診抑制の論点)3番についてはかかわらないと思う......。

[勝村久司委員(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)]
 ま......、まあね、仕事の都合でどうしても保護者の方が「うちだけは夜の8時か9時に懇談をしてもらえませんか」ということはあるわけですよね。それがその保護者のわがままかというと、よく聴いてみると......。(ここで遠藤会長が発言をさえぎる)

 ▼ これは例が悪かったかもしれない。保護者の懇談は毎日発生するものではないだろう。

[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
 理解できます。そうじゃなくてお話が......、それは分かります、2番の話。3番のほうは反対というご意見なんですか? 「2と3」とおっしゃったような気がしたものですから、その確認だけしたかった。

[勝村久司委員(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)]
 これも先ほどのたとえ話で言うと、一見大した悩みではないと思うような悩みを毎日毎日相談に来るような生徒もおります。その子にとってはそれが必要だったり、やはり「軽症」という判断がなかなかしにくいので、もちろん(病院に)行って何らかの役割......。

 ぼくは、広くお母さん方が不安にならないように、広く、例えば救急車を呼ぶ前に相談してくれる電話番号があるとか、そういうのは大いに結構だと思うんですけれども、その......。
 「勤務医が大変なのは軽症なのに来てしまう患者だ」と言われても、ちょっとそこを気にしてしまったときに、その間の判断というか、患者と医療者とのコミュニケーションが敵視してしまう形に......。勤務医......、「軽症で来る患者が勤務医の敵だ」みたいに、極端に言うとですね、そういうふうになってほしくないという、そういうふうにならないような慎重さをぼくはお願いしたい。

 ▼ 診療側は"トップバッター"を決めた様子。

[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
 はい、ご意見はよく分かりました。それでは、お手を上げられた西澤委員。


【目次】
 P2 → 「慎重にしてほしい」 ─ 勝村委員(支払側)
 P3 → 「医療資源を有効に使うことを考えて」 ─ 西澤委員(診療側)
 P4 → 「土日とか9時に来られるとやっぱり......」 ─ 邉見委員(診療側)
 P5 → 「軽症者は自己負担を払ってくださいと読める」 ─ 遠藤会長
 P6 → 「看護師やMSWが『話を聴く』具体策を」 ─ 中島委員(支払側)
 P7 → 「不安を看護師がコーディネートできる」 ─ 坂本専門委員
 P8 → 「形にしないと放埒な社会をつくることになる」 ─ 嘉山委員(診療側)
 P9 → 「1号と2号、一緒に何か緩和策を」 ─ 北村委員(支払側)

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