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ニュース〜医療の今がわかる

村重直子の眼9 小山万里子・ポリオの会代表(上)


村重
「そうですか。いつも思うのですが、いつどこで誰がワクチンを打ったということは、統計を出そうと思えば出せるはずなのに厚労省は出さない。他にもデータベースがあるのに出さないものがたくさんあります。厚労省が持っているデータは大量にあるんです。レセプトデータベースとか、ワクチンや薬による副作用報告のデータベースもあるんですけれど、誰でも解析できる形で公開されていない。統計を誰のために取って誰のために生かすのかというと、国民の健康を守るために実態を把握しているはずなのに、データを見せてしまうと役人が対応を迫られるから出さないという雰囲気があります。何のために統計を取り、何のために補償制度をつくり、年金や医療保険などのセーフティネットを誰のためにやっているのかを、はき違えているんじゃないか、目的がすりかえられているんでないかという気がしてならないですよね」

小山
「もう一つ。自分の体の情報はきちんと知る権利があると思うのです」

村重
「そうですね。データベースとして出す時には、もちろん個人情報に配慮して取り扱うのですが、ご本人が自分の情報を知るのは当然ですね。あるデータベースの中の、自分のデータは知る権利があると思いますね。きちんと個人情報をたどって、レセプトデータベースの私のデータはこれで、副作用のデータはこれで、ワクチン打った時や障害者として認定された時のデータはこれ、と連結可能になっていれば、ご本人も把握できますし、ものすごく大きなデータベースとなって病気や後遺症など色々なことが分かるのです」

小山
「その情報をどう使われるかということは怖いと思いますが」

村重
「もちろん個人情報は出さないですけれど、ご本人が知りたい場合は出していいですよね。このデータベースとこのデータベースを連結するとこういうことが分かったという研究を積み重ねていかないと、病気や副作用のことも解明が進みません。欧米は、そういうデータベースの公開が凄く発達していて、公表データなので、個人情報はわからないですが、申請すれば連結できたりして、もっともっと色々なことが分かるんですよね。日本も既存の制度は、例えばレセプトなどはデータベースがあるのです」

小山
「それをきちんと患者の方も受け取っていないと、分からなくなるのですよ。私も障害年金の申請に際して、カルテが5年保存で廃棄されますので、もう、記録がないということで、非常に困りました。そういうようなことも多々起きていますしね。こちらのドジで色々やらなかったこともあるのですけれど、それをどのように持っていくか、今後の課題でもあります」

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