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ニュース〜医療の今がわかる

率直に話し合ってみたら、役者が足りなかった

100725discussion.JPG 7月25日午後、東京・有明の癌研究会で<癌研オープンアカデミー『日本のがん医療の未来を考える』>が開かれた。冒頭に野田哲生・研究所長が「がん治療・研究に関するあらゆるステークホルダーが集まって一緒に話をしようという趣旨」と説明したように、医療者はもちろん、患者、政策担当者、企業人、メディア人など150人あまりが集まり、歯に衣着せぬ活発な議論が行われた。今までにないほど率直な議論ができた時に皮肉にも見えてきたのは、隠れた最大のステークホルダーである「医療費を払ってくれる健康な人々」が、その場にいないということだった。(川口恭)

 この日のプログラムは非常に盛りだくさん。講演の数々も面白かったのだが、要約するのが難しいほど内容が濃く、片木美穂・卵巣がん体験者の会スマイリー代表が、癌研有明病院を受診していた複数の患者から「見放された」とか「免疫細胞療法や重粒子線治療を勧められた」という相談を受けていると語ったことだけ記しておき、最後の総合討論をかいつまんでご紹介する。
 
 進行役は16日に教授に昇任したばかりの上昌広・東大医科研特任教授。パネリストは、向かって左から中村祐輔・東大医科研ヒトゲノム解析センター長、宮野悟・東大医科研教授、嘉山孝正・国立がん研究センター理事長、野田哲生・癌研究会研究所長、土屋了介・癌研究会顧問。冒頭に上教授が「手前の2人は国際的なスーパースター、向こう側の方々は政治力の凄い人たち。いわばイチローと清原のような感じ」と紹介したことが、嘉山理事長の逆鱗に触れたようで、以後、険悪なムードのまま進んだのだが、その結果生じた小競り合いなどは省いて各人の発言要旨を淡々とつなぐことにする。


「一番最初の講演で日本の患者さんが韓国へ治験を受けに行ったという事例が紹介された。どう思うか」

嘉山
「国立がんセンターがすべきだったということは言えるのかもしれないが、今の所、オンゴーイングで改革中であり、コメントのしようがない。がんセンターとしてはとんでもないことだったということは言える」


「何が問題で、どういう人が動くべきだと考えるか」

嘉山
「個別具体例を見ないと何とも言えない。マルチファクトリアルだろう。問題は複数の省庁にまたがるかもしれないし、タテ割でない問題解決能力のある人が必要だということになるんでないか」


「官僚のようなお答えだが、情報流通の面で何かできることはないか」

嘉山
「私にばかり訊かないでほしい。先生もがんセンターにいた。当事者として何をしてきたのか」


「私はインターネットメディアにしゃべるようにした。それからMRICというメルマガで発信するようにした。村上龍さんのJMMや日経メディカルにも転載されている。個人としては、そういう情報の出し方をしてきた」

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