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「女性という『性』を失う」子宮頸がん‐癌研公開講座で患者会の穴田佐和子氏


もう一つ、私は半年の間ベッドの上で、いつも死について考えていました。私は手術ができるかどうか分からなくて、転移もあったということで、5年生きられるかどうか、そういうことを色々頭の中に描きながら治療していたのですが、その時の詩です。
 
生きている事、死ぬ事。四角い天井を見て考えていた。私は何でがんになってしまったんだろう。何が悪かったんだろう。そしてこれからどうなってしまうんだろう。あり余った時間の中で死というものについて静かにゆっくり考えていた。生きるということは何なのか。死ぬということは何なのか。もしかしてこのまま死んでしまうんだろうか。そう思った時に見えたのは、真っ暗な闇じゃなくてキラキラ輝く生だった。おしゃべりする事、本を読む事、誰かとけんかできる事、街を散歩する事、髪を切りに行く事、物思いに耽られる事、うたた寝できる事、娘を抱きしめられる事、何でもない事が失くしてしまうかもしれないと思ったとたんに、全てはかけがえのないものだという事が、気が付いた。何でもないものが美し過ぎて、空を吹く風や山や鳥や雑踏やスカートや、石ころさえも、感じ聞き、触れることさえできなくなるかと思うと、悔しくて、いとおしくてたまりませんでした。病院を抜け出して、私はゆっくり街を歩く。地面をゆっくりと踏みしめ、吹雪の中を傘もささずに歩く。雑踏の中を抜け、心の赴くままに歩くと、冬の空気は冷たくて、突き刺すような痛み。体を凍らし、心を凍らし、ああ、痛みを感じてることすら生きてることなのかと、そう思ったら胸が熱くなって苦しくなって、涙がこぼれた。今感じてるこの痛みを忘れちゃいけない。
 
という詩です。
さて、拙い私の経験だけの話でしたが、あなたはワクチンを受けようと思うでしょうか?
検診を受けようと思いますか?
 
 
子宮頸がんは唯一なくす事のできる病気です。私はこの事を知った時にとても大きな喜びと衝撃を受けました。もう私には子宮頸がんのワクチンは必要ありませんし、検診も必要ありませんが、この経験を基に伝えることによって、これからの子供たちが少しでも元気を取り戻してくれるんだったら、できることをやっていきたいなと思っていました。子宮頸がんはヒトパピローマウイルスというありふれたウイルスということで、今までは偏見もあり、なかなか壇上に出る人も少なかったのですが、誰にでもあることです。そして、誰がかかってもおかしくないということは、女性だけでなく男性にも意味があるワクチンだと思っています。そして一部の人だけでなく、全ての人がワクチンと検診で「ゼロ」という目標に向かって進んだ時に、日本から子宮頸がんをほぼゼロにできるんだと思っています。
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