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ニュース〜医療の今がわかる

村重直子の眼13 大西睦子・ハーバード大学歯科医学校研究員(上)


村重
「ナースヘルススタディって結構有名な、公開されているデータベースですよね。データベースをダウンロードして誰でも自由に解析して研究できる状態になっているので、国民の、というか全世界の財産みたいな巨大なデータベースですよね」

大西
「私も、本当にこのコホート研究のシステムには驚いています。また、コホート研究に参加されている方々のボランティア精神にとても感激しています。30年以上も続く中、結婚、離婚などのため移動される方もたくさんいらっしゃると思いますし」

村重
「引っ越す人も多いので、その後まできちんとフォローできるというのは、ものすごいマンパワーですよね」

大西
「アンケートの返信が来ない場合は、直接電話をかけてアンケートを出してくださいって催促するようです。インターネットによるアンケートにすると、インターネットが使えない場合もありますから手書きのアンケートで続けているみたいです。また目の不自由な人には、字の大きなアンケートとか色々工夫して継続しているので、ものすごい配慮だなと驚いています。お金がたくさんあるから、人もたくさん雇えて、充実したシステムを用いて世界最大のコホート研究を30年以上も継続できるのだと思うのですけど。最近は男性の医療従事者を対象としたコホート研究も始まっています」

村重
「そうですね。ナースと言っても半分くらい男性ですよね、アメリカは。まあ年齢層によるかもしれませんけど」

大西
「以前私が所属していたラボは、コホート追跡中に得られたがんの病理組織を用いて、最新テクノロジーで遺伝子異常およびたんぱく質の発現異常を網羅的に解析し、これらの癌組織の分子異常あるいはさまざまな遺伝子多型(SNPs)と、アンケート調査によって得られたライフスタイル等の病因データとの関係を総合して統計解析し、がんの予防法を検討していました。実際の研究室での仕事は、ベルトコンベア式に研究者の役割分担をしていていました。すばらしいシステムと思いました。私は、1年間のコホート研究を勉強した後、日本に帰る前にさらに基礎的な研究と基礎研究をすすめていくためのシステムを、ハーバード大学で学びたいという強い気持ちを持ち始めました。、それで、友人の紹介で、同じハーバード大学のモハメドラボが研究員を募集していることを知り、モハメドラボに異動しました。そこでの研究が、最初に説明したような老化とかミネラルバランス、高リン酸がどういう影響を全身に与えるかといった研究でした」

(つづく)

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