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ニュース〜医療の今がわかる

「訪問看護の現状と課題」 ─ 秋山正子氏が中医協で意見

■ 医療保険が適用できないので自費


[秋山正子・ケアーズ白十字訪問看護ステーション所長]
 訪問看護にとって介護保険10年は何だったのか、というお話をさせていただきます。
秋山正子先生_07.jpg 老人保健法の改正で生まれた制度ですので、当初は「寝たきり老人の介護に重点を置いた看護とリハビリテーション」という所が目的でした。

 「非常に緩やかな在宅での生活を支える」ということでしたが、難病、小児、精神等々と医療保険まで幅が広くなり、自立支援との併用もあって制度的に非常に複雑な状態です。
秋山正子先生_08.jpg 中重度者に対する訪問看護として、「使い控え」が介護保険で起こっているような状況です。なおかつ、医療処置が入るようになってから呼ばれるという......。

 「もう少し予防的な視点というのがないだろうか?」という辺りです。

 「訪問看護活用ガイド」の16ページには、使い方の流れと、それから医療保険に変わるときの特別指示というのが63ページに載っています。

 そういうようなことをうまく組み合わせながらいかないといけないのですが、なかなかそれがうまくいっていない状況かな、と思います。

 それから、「訪問看護活用ガイド」の21ページでは、中重度の方への療養通所介護というのが介護保険で取り上げられていますが、実際のところそれにエントリーする機関がなかなか少なく......。
秋山正子先生_09.jpg なおかつ、現実的には医療保険適応なんだけれども医療保険が適用できないので、自費を頂きながら小児、神経難病、気管切開、人工呼吸器の方を療養病通所介護で引き受けているという現状で......。

 この辺も、もう少し見直しというか......、それを行っていただければ、という現状です。
 

【目次】
 P2 → いのちに寄り添うケアを届けたい
 P3 → がんや難病、小児から超高齢者まで
 P4 → 医療保険が適用できないので自費
 P5 → 訪問までの交通手段や時間に地域格差
 P6 → マンパワーの確保が困難な事業所が多い
 P7 → いつまでも治す医療だけでいいのか
 P8 → 急性期医療が重介護状態をつくり出している
 P9 → 在宅で看取りを経験をした人が在宅を選ぶ
 P10 → 診療報酬上の問題がある
 P11 → 訪問看護の可視化、情報発信を
 P12 → 急性期病院の看護師に在宅の実習を
 P13 → 看取り可能な町は訪問看護の充実から

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