「入院から在宅へ」という考え方について
■ 誰だって病院で死にたい
[武久洋三・日本慢性期医療協会会長]
厚労省の方は掛け声を掛けるだけでいいんですが、我々は現場でもう......、労働者ですから働いて現状を支援しないといけない立場ですので、そのことは非常に痛く分かっているわけです。
特に、都会ではその傾向が非常に強いので、早く体制を決めないといけない。
▼ 厚労省の「終末期医療に関する調査等検討会報告書」を基に作成された資料。日本慢性期医療協会の会見資料はこちら。
だから、在宅で亡くなるのもいいんですけど、最期まで(自宅で)亡くなるというのは1割しか希望(する人)がないように、やっぱり最期は病院に入院して、お医者さんや看護婦さんに看取られながら......、誰だって死にたいじゃないですか。
在宅だったら、だーれもいない所で知らん間に死ぬわけですからね、ちょっと寂しいんでね。生まれた時は1人で、死ぬ時も1人とは言いながら、生まれた時は産婆さんもおるからね。やっぱり、全然違うわけですよ。
そうなってくると、あくまでも在宅で看取らないと駄目と、在宅での看取り死には10万円出すと、こういうね、本当にこう、前にニンジンぶら下げたような点数ってね、私はあまりにもあからさまやなって思って。
【目次】
P2 → 誰だって病院で死にたい
P3 → むしろ在宅オタクみたいな
P4 → どっちの方向に行っていいか