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「妊婦さんの笑顔を見たい」―大野事件・加藤医師が公開シンポで講演


■「グレーを徹底的に黒くするのが警察・検察」

関根氏(左)澤氏(中)加藤氏.JPG 口火を切った澤氏は「検察がこの重要な報告書を証拠として要求していない。ものすごい矛盾。検察は変な話だけど、裁判の中で新聞を見て言っている。報告書を証拠としていない」と立件に関する疑問を指摘。

 これを受けた勝谷氏は、石川知裕衆院議員が小沢一郎民主党元代表の資金管理団体の収支報告書虚偽記入事件で有罪判決を受けたのと同じ構図と指摘。「石川の場合は裁判所が検察調書を証拠採用しなかった。都合の悪いものを採用しないでいて、こう推認される、こう推測される、状況証拠はこう言っているということであの3人が有罪判決を出した」と主張。「本当に怖いです。司法国家としてあるまじき。検察審査会は検察が白だというのを黒だと言う。マスコミ報道は毎日『こいつは極悪人だ』と報道する。それで世間の心象ができる。そしたらそれで司法が動く。幸い加藤先生の場合は最後の最後の裁判官がちゃんとした判断を下したけれども、これは要するにリンチ。大阪でもあった一連の調査の捏造、そして小沢さんや3人の裁判、そういうものを見ていると、(大野事件が)そういうことのさきがけだった」。

 梅村氏は、「攻めれば落ちやすい人を徹底的に黒くしていくことが警察、検察のやり方」と、検察の手法では事実を明らかにすることはできないとした。

 続けて西尾氏。「やっぱり医者としてその患者さんを助けようとした、救急なんかはそういうことがいっぱいあります。この患者さんどうしようと、全身汗びっしょりになります。やっぱり僕らも怖いんです。どうしようとなった時に命も大切だし、臓器を残すことも大事だし、加藤先生なら子宮を残すこと。それを考えた時に一番思うのは本当に苦労して選択して、それが患者さんにとってものすごく悲しい結果になった時に、医者としてはものすごくつらいんですね。その悲しみを・・・(言葉に詰まる)」。続けて、「もっと他の道があれば命を助けられたかもしれないと常に思うんです。でも、あの状況でそれを選択したことを間違ってないと言い聞かせたい自分の気持ちはある。いろんな人の死に関わっているけど、人の死というのは自然なものなので、医療がなければ死んでるものなんですよ。それを、より助けようとした時に、医療だけに責任を押し付けている例が多いので、その辺を皆さんに認識していただきたい。というのは、やはり医者も苦しんでいます。たとえば虐待の子でもそうですし、喉にあめちゃんを詰めたときでも、その後の医療の対応が遅いと医療を責められるんですけど、その時の親の責任もあるんですよね。医療者にとってはそれだけではダメだと自分を責めているんです。だから加藤先生も・・・本当につらかったと思うんです・・・。その気持ちを分かっていただきたいなと思います」。

 勝谷氏は、医学で明らかになっていない領域があることを指摘し、「お医者さんが100%努力をします。でもそれが100%の結果に結びつくとは限らないわけなんですよね。想定外のことが起きるんですよね。そのことは人間として、患者力としても、謙虚に考えていただきたいと僕は思います」と話した。

 加藤氏を逮捕した富岡署が福島県警本部長賞を受賞していることについて勝谷氏はこうコメント。「警察も検察も役所ですからアピールしたいわけです。だから、拘置所でご自身(加藤氏の意)が看守さんの目の前のところで自殺を(しないように)ものすごく気を付けられていたというのは、自殺させちゃいけないよと言ってるというのは、これは大事な大事な"財産"なんですよ。世間にアピールして有罪を勝ちとったら大変なお手柄になるわけで、富岡警察署は、署長というのは大体中央から来ているキャリアで、それに勲章を付けてやって上に上がって、下もそれにぶら下がって出世していくのが警察の出世コースですから、だからそれに利用したわけです。明らかに」。

 澤氏は大野病院事件について県警内で本部長に抗議した警察官がいたことも明かし、「かなり無理筋をゴリゴリ押していた」事件だったとした。

 続いて勝谷氏は「日本の司法制度は皆さんにも冤罪として来るかもしれないんですけれども、いいですか、逮捕されたことと有罪判決は別なんですよ。有罪が確定したらその人を逮捕したという事でそこで表彰というなら分かりますよ。逮捕した段階で表彰するというのは、これはまさに有罪率99.9%という世界に例を見ない、つかまったらおしまいと。じゃあなんのための裁判かというとんでもないこの国の司法の状態を示しているわけです」と述べた。

 梅村氏は、日本の逮捕要件は証拠隠滅と逃亡の恐れがある場合だと示し、加藤氏の場合はどちらにも該当しないとして「ではその逮捕要件は何か。すでにそこから疑問です」と指摘した。

 勝谷氏は供述調書について「一問一答されるのを検事が綺麗なストーリーの文章に作るもので、何通りにもできるもの」だとして、加藤氏に印象を尋ねた。加藤氏は「僕は文化会系の方にはかなわないなと。僕は文科会系は弱かったので、こういうふうに書いちゃんだあ・・・というふうに思いました」と答えた。

 警察が医療知識を持たないまま逮捕していたとして、加藤氏は「学生に講義みたいな感じで、話を教えるように、癒着胎盤とはこういうものだとか。やっぱり勉強してこいよみたいな感じはありました」と述べた。澤氏は続けて、「何が良くて何が分からないか分からないまま、とりあえず身柄を押さえられているんです。それでこういうことをしたんですけど、僕はどこが悪かったんでしょうかと彼が解説している。こんなおかしな話がありますか。結果が悪いからとりあえず身柄を取っておこう、それでメディアに流そうと。なんでこんなことになってしまうのか」と述べた。

 司会は加藤氏に「患者さんも傷ついて、加藤先生もいまだに傷ついていらっしゃって、結局どちらも傷ついたまま終わってしまった悲しさというものが残ってしまったのではないかと思うのですが」と投げかけた。加藤氏は「裁判が終わって、結局ご遺族の方とは一度もお会いすることもできなくて・・・、そうですね・・・、結局そうですね・・・、なんだか悶々とはしていますね、確かに。その代わりとは言ってはなんなんですけども、お墓参りを命日には行っていたことはあったんですけども、そのお墓も突然なくなってしまってですね、移動してしまったので最近行けていないですけども。今はもう避難されていますし、もう全然コンタクトも取れないし、取っても・・・向こうの方から見ても、僕なんかに会いたくない・・・というのもあると思うんですけれども。何かしらこう・・・言いたいことも、直接言いたいことも多分あるのかな、というのはあってですね。県内なので、どこでお会いするかは分からないんですけども、お会いしたら、お会いしたで、・・・大人の対応をしようとは思っているんですけども・・・」と述べた。

 

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