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ニュース〜医療の今がわかる

 10日に第一回会合が開かれた「第11次へき地保健医療対策検討会」で、メディアでありながら委員に入った前野一雄・読売新聞編集委員が「昨年11月(ママ。10月?)に読売新聞で出した医療改革提言についても意見を言わせてもらえれば」と挨拶した。若手医師の計画配置をうたって物議を醸した提言だけに、今後の検討会で、一企業の私案から「公的」なものへと格上げされないか、注視が必要だ。(川口恭)

 「レセプトになってくると重症化する。単純に考えるのであれば多少問題点も出てくるような気もする」-。中医協の慢性期包括医療について議論する分科会に示された調査結果に対し、委員が疑問を呈した。患者の病態などに関する調査では医療区分3は19.8%であるのに対し、レセプト調査になると25.0%と、約5ポイント上昇していた。(熊田梨恵)

 『抜本的医療改革断行の提言書』を各党の政策担当者たちに手渡してきた梶原拓・健康医療市民会議代表(元岐阜県知事)が9日、今度は野田聖子・消費者行政推進担当大臣の元を訪れ、「医療改革国民会議が自公民のマニフェストに書き込まれると決まったので、選挙後には成立する。ついては消費者庁で主管してほしい」と依頼した。初代消費者庁長官となることが内定している内田俊一・前内閣府事務次官と共に対応した野田大臣は「消費者庁は小さな役所なので、分かった分かったと言って失望させてもいけない」と即答を避けた。(川口恭)

 2010年度診療報酬改定に向けて療養病棟などの包括評価について議論する中央社会保険医療協議会(中医協)の「慢性期入院医療の包括評価調査分科会」(分科会長=池上直巳・慶大医学部教授)で7月8日、武久洋三委員(日本慢性期医療協会会長)は在宅復帰率や医療区分改善率など、慢性期包括医療に対する「医療の質の評価」の導入を提案した。武久委員が議事録に残る形で成果主義を要望したのは初めてだ。(熊田梨恵)

 骨髄移植推進財団に解雇された元総務部長が地位確認などを求めて争っている民事訴訟について、舛添要一厚生労働大臣は8日の衆議院厚生労働委員会で「訴訟に関しては係争中なのでコメントしないが、(略)係争に貴重なお金を使うぐらいなら患者負担を減らしたらどうかということも含めて、どのような形で財団を指導できるかよく検討したい」と述べた。(川口恭)

 慢性骨髄性白血病(CML)患者らでつくる「CMLの会」(野村英昭代表)が、そのグリベックやインターフェロンでの治療を、自己負担月1万円の『高額長期疾病(特定疾病)にかかる高額療養費の支給の特例』の対象とするよう求めている件で、賛同署名が6月末までに4万筆を超えたという。4月中旬から署名呼びかけをしていた。近く舛添要一厚生労働大臣に届ける。(川口恭)

7月6日DPC評価分科会.JPG 抗がん剤など高額な薬剤を使用した場合、DPC(包括払い)では不採算になってしまう問題について、厚生労働省は出来高算定にせずに診断群分類のツリーを増やすことで対応する案を中医協の分科会に提案し、了承された。厚労省は、入院初期の点数設定の方法を変えれば赤字部分が解消されるとみているようだ。(新井裕充)

相川直樹委員(左)0706.jpg 全国どこの病院でも同じような水準の医療を受けられることは患者の立場からは望ましい。しかし、関係学会などが示す指針(ガイドライン)の厳密な順守を求めることに対しては、「医師の裁量権を奪う」など否定的な意見もある。厚生労働省はむしろ、「診療ガイドライン」よりも「クリティカルパスの公開」に関心があるようだ。(新井裕充)

 総務省消防庁と厚生労働省が合同で開いた救急医療に関する有識者会議で、興味深い地図が示された。昨年度に救命救急センターなどに運ばれた搬送のうち、関東と近畿について、都道府県を越えて搬送されたケースを件数とともに地図上に示したものだ。茨城から東京に、栃木から東京に運ばれたケースもあるなど、広範な搬送が行われている様子がうかがえる。(熊田梨恵)

 東京都内で脳卒中医療連携に関わる急性期から慢性期までの医療機関が集まる「脳卒中地域連携パス合同会議」が7月4日に開かれ、回復期リハビリテーション病棟を有する4病院がパスの影響について報告した。在院日数が約30日短縮したケースや、脳卒中ではないがパスに乗って送られた患者のケースなど、さまざまな報告があった。(熊田梨恵)

6月24日の中医協検証部会07.jpg 先発品と有効成分が同じで価格が安い後発品(ジェネリック医薬品)の使用がなかなか進まない。厚生労働省は後発品の使用状況について追加の調査を実施する予定だが、「薬局に在庫がないから」という理由に落ち着くかもしれない。とすると、"犯人"は誰になるのだろうか─。(新井裕充)

 多くの勤務医が労働基準法違反の時間外勤務や当直勤務を強いられていると問題になっているが、当の勤務医たちは法律の規定を知らないのかもしれない--。そんな実態が消化器外科学会が会員を対象に行ったアンケート調査から浮かび上がった。(川口恭)

西岡清分科会長(左2)0629.jpg 「1か所を改修することは全体を改修することと同じ」─。DPC(入院費の定額払い方式)を導入している病院が診療報酬を請求する際に提出するデータが来年4月から変更される。これに伴い、レセプト(診療報酬明細書)の電算処理システムなどを改修する必要があるため、「システム改修は少ない方がいい」と求める声も出ているが、厚生労働省の担当者は「思い切った大きな改修をしても手間としては同じだろう」と理解を求めている。(新井裕充)

宇都宮啓企画官(右)0629.jpg がんの化学療法に使う高額薬剤など、DPC(入院費の定額払い方式)で包括評価されている項目を見直す審議が中医協の分科会でスタートしたが、早くも議論が錯綜している。救急医療の問題を議論しないとDPCの議論も進まず、逆にDPCの議論を進めないと救急医療の議論も進まないという硬直状態に陥っているようだ。(新井裕充)

 「妊産婦死亡率、新生児死亡率などを議論するにしても、未成年出産数や平等指数など、各国の社会状況や歴史的経緯などを考えなければ国際比較はできない」―。国内で医療制度や政策について議論する際、海外の事例やデータが引き合いに出されることは多い。保健医療政策に詳しい森臨太郎・大阪府立母子保健総合医療センター企画調査室長の日本小児医療政策研究会での報告から、国際比較を考える場合の考え方のヒントを聞いた。(熊田梨恵)

6月29日のDPC評価分科会07.jpg 「中小病院では患者の追い出しにつながることは間違いない」─。入院初期の診療報酬を引き上げる厚生労働省の方針に対し、民間病院の医事担当者は驚きを隠せない。来年4月から、脳卒中や心筋梗塞などで緊急入院した患者が早期に追い出されるケースが続出しそうだ。(新井裕充)

 緩和医療というと一般的に成人のがんに対するターミナルケアという印象が強いが、子どもの場合になると、約6割が脊髄性筋萎縮症などの神経筋疾患や18トリソミーといった先天性の染色体異常などの進行性で障害を伴う病気だという。成人に対する緩和医療も発展途上の段階で、まだまだ知られていない小児緩和医療。日本小児医療政策研究会での報告を聞いた。(熊田梨恵)

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