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「地域医療再生基金」を都道府県に設置―厚労省補正予算案

 厚労省は2009年度補正予算案に、医師派遣機能の強化など地域医療の課題解決に取り組む医療機関などに財政支援する「地域医療再生基金(仮称)」を都道府県単位で設置するとの内容を盛り込み、3100億円を計上した。都道府県が「地域医療再生計画」を新しく策定することが条件になる。(熊田梨恵)

 厚労省は同省所管分の09年度補正予算案の中に、「地域医療の再生に向けた総合的な対策」として、都道府県が「地域医療再生計画」を策定し、その内容に沿った財政支援を実施する「地域医療再生基金」を設置することを盛り込んだ。

 まず、補正予算成立後に、各都道府県が医師確保や救急医療、勤務医の労働環境改善などについて具体的な改善策を盛り込んだ「地域医療再生計画」を2次医療圏ごとに策定する。この計画は、都道府県がすでに策定している「医療計画」の内容を具体化して進めていくためのものになるわけだが、都道府県が国から補助金を受けるための「補助金計画」とも言える。計画の期間は未定だが、「地域の実情に応じてということになるが、5年間ぐらいを想定している」(厚労省医政局指導課)。
 都道府県は計画策定後に「地域医療再生基金」を設置して、国から降りてきた補助金を基金にプールする。計画の期間に沿って、医療機関などに対して財政支援を行っていくという流れだ。「補助金」でなく「基金」の形にすることで、複数年度にわたって予算をやりくりできることになる。ただ、補正予算の成立時期や基金の設置などを考えれば、都道府県がかなりのスピードで計画を策定し、事務手続きを進めていくことが求められる。

 厚労省が想定している計画の内容としては、▽大学病院などと連携した医師派遣機能の強化▽地域内での医療機関の機能強化、機能・役割分担を進めるための連携強化▽メディカルクラークの集中配置など勤務医・看護師などの勤務環境改善▽短時間正規雇用制度など多様な勤務形態の導入による勤務医・看護師の確保▽医療機能の連携や遠隔医療の推進のための施設・設備の整備▽NICU(新生児集中治療室)・救命救急センターの拡充、NICUやGCU(回復期治療室)の後方病床としての重症心身障害児施設の整備―などが示されている。ただ、地域の実情に応じた対策であれば、これに限るものではないとされている。

 厚労省医政局の担当者は、医師派遣強化の例として、「都道府県と大学病院などが連携して後期研修のプログラムを組み、医師が不足している医療機関に一定期間回ってもらうような仕組みを作ってもらうことも考えられる」と話している。

 今回の追加経済危機対策の予算案の額については、4月23日に開かれた与党内の会合で詳細が示されていた。
 これについて、「『基金』だと複数年度で予算が使えるので役人には扱いやすくなる。しかも、今回の補正予算案にはやたら『基金』設置が目立つ。結局役人の天下り先が増えるだけではないか」と話す国会議員もいた。

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