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看護教員は「専門家」を育てるのか、「人」を育てるのか

■日看協と日医の対立、再び

永山くに子座長.jpg 舛添要一厚労相主宰の「看護の質の向上と確保に関する検討会」が3月にまとめた提言を受け、文部科学省と厚生労働省が相次いで検討会を設置し、看護職の養成制度の見直しに向けた準備を進めている。

 保健師、助産師、看護師の免許取得に必要な看護基礎教育をめぐっては、「大学4年制への一本化」を主張する日本看護協会(日看協、久常節子会長)に対し、准看護師の養成学校を各地に持つ日本医師会(日医、唐沢祥人会長)が抵抗する構えを続けている。

 日看協の主張は、「看護職(女性)の地位向上」という考えで一貫しており、助産師の医療行為や看護師の裁量権拡大などをめぐる問題にもつながっている。看護基礎教員の在り方については、看護職の専門性を高めるため、「大学4年制への一本化」を主張する。

 これに対し、現在の多様な養成ルートを大学4年制に一本化してしまうと、都道府県の医師会が持つ准看護師の養成所が閉校に追い込まれる恐れがあるため、日医は反対している。
 このため、舛添厚労相主宰の検討会では「大学4年制への一本化」について意見集約できず、中間取りまとめは「今後の動向を見極めて対応する必要がある」とした上で、賛否両論を併記した。

 両者の対立の背景には、医師と看護職との上下関係をどのように考えるかという問題がある。医療現場では、「大卒の看護師は頭でっかちで使いにくい」、「言われた通りに動いてくれる看護師がいい」との声もある。
 一方、看護師の中には、「医師の指示がないと動けない制度は疲弊している」、「医師と対等の立場で、医療安全やチーム医療を推進していくべき」との意見もある。

 この対立は現在、看護職の養成制度の見直しに関する検討会で再燃している。舛添厚労相主宰の検討会の中間取りまとめを受け、文部科学省は3月31日、「大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会」を設置し、統合カリキュラムの見直しに向けた議論を進めている。
 厚生労働省は、4月28日に「看護教育の内容と方法に関する検討会」、30日に「新人看護職員研修に関する検討会」、5月14日に「今後の看護教員のあり方に関する検討会」の初会合を相次いで開催した。

 各検討会には、日看協の坂本すが副会長のほか、同協会にかかわりのある看護関係者が委員として参加。日医からは、羽生田俊常任理事が参加しているが、「多勢に無勢」といった状況。日看協の久常節子会長は旧厚生省で看護課長を務めていた経歴があり、各検討会は日看協ペースで進んでいるように見える。

 日医を援護する意見が少ない中、5月14日の「今後の看護教員のあり方に関する検討会」では、日医に好意的な発言があった。
 後藤委員は看護教員に必要な資質として、学生に安心感を与えられることや、学生に寄り添うことなど、教育者としての資質を挙げた。
 詳しくは、以下の通り。

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