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「薬局が悪い」 後発品の促進に"最終兵器"

■「メーカーに対しても十分な指導を」―山本委員

[勝村久司委員(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)]
5月20日、中医協総会.jpg 先程の大島委員の指摘はいつも思っていること。中医協はお金のことを議論しているのだから、もっと率直に、後発品に変えることによって、薬局や診療所がどういう経済的な形になるのか、はっきり教えてほしい。よく分からないので。

 先程の調査結果では、 「意識にはある」ということだが、どういう意識があるのか。そこまで踏み込んだ議論をこの場はする責任があると思うので、やっていってほしいというのが1つ。
 検証部会の結果は、日本薬剤師会も厚生労働省も深刻に受け止めるべきで、「今まで通りやってきています」という話ではなく、検証部会の結果を受けて、日本薬剤師会は新たに何かをしなくてはいけない。本当に必要なところに医療費を回していこうという話をしているので、「医薬分業」がすごく成功してきて、本当に意味があったのかが問われると思う。
 品質に関しては、藤原委員が指摘した「納入価格にすごく格差があるから不安なんだ」という具体的なことが出てきたときに、やはりこの場で説明してほしい。「品質には問題がない」という詳しい説明を薬剤管理官から受けた上で、この議論が始まっているのに、もう一回、その原点に戻ってきている。その説明をきちんとやってほしい。

[遠藤会長]
 ありがとうございます。経済的なインセンティブについて一般論で言うならば、出来高払いの場合には、(薬価)差益値が(先発品と後発品の)どっちが大きいかという話になるし、包括払いの場合には、絶対的な価格が安いジェネリックの方が優位だと、基本的にはそういう枠組みで議論できる。(邉見委員と西澤委員、顔を見合わせて大笑い)

[山本信夫委員(日本薬剤師会副会長)]
 勝村委員のご指摘だが、ただ放置している訳ではなく、会員に向け、さまざまな手続きを踏んでいる。そこはご理解いただきたい。さらに足りないこということは十分に理解しているので、さらにそれに拍車を掛けたい。そこはご理解いただきたい。

 もう1点、竹嶋委員が質問した「指導」と「責任」の問題について、薬剤管理官から「指導はそういう範囲ですよ」、「責任は厚労省が持っている」という説明があった。「責任」について、薬剤師は臆病なので、「指導」などと言うと......。規則は規則だが、(使用促進を)進めるという方向は理解するが、「引っ張り方」をぜひ考えていただきたい。
 (後発品を)選んだ責任について、私どもは製剤学の勉強もしてきたし、十分なデータを基に選んでいるので、「あまり厳しい責任はない」と理解したい。

 もう1点、ジェネリックが得か損かという話があった。決して私どもは損得で動いている訳ではない。ただ、「大変かどうか」と言われれば、これは極めて大変。在庫を揃えなければならないし、たくさんの種類がある。(後発医薬品の使用促進が)経済的に大きな問題であるということは理解しているので、単に損得で動いていると言われると、いささか反論したくなる。
 処方する側、調剤する側の原因で後発品が進まないか、あるいはお金を払う側の原因で後発品が進まないのかという議論だが、医薬品をつくる側にも多少の責任がある。 メーカーに対しても十分な指導を、つまり後発品が使用できるような環境をつくるということも含めて、ご指導いただかないと。先程の「大変」な部分が経済的な負担になるので、その辺りも、今回の「指導」の中に盛り込んで議論してほしい。

[遠藤会長]
 ありがとうございます。山本委員がすべての質問に答えてくれた。四面楚歌になっているので。(他の委員、笑い)
 恐らく、またいろいろな意見があるかと思うが、これぐらいにしたい。よろしいだろうか。あ、事務局どうぞ。

[磯部薬剤管理官]
 いろいろなご意見を頂いた。(後発医薬品の使用促進に関する)規定の「周知徹底」と「必要な指導」については、今日の意見を十分に踏まえて、別途、地方厚生局に宛てて、私どもから通知を発出することにしたい。 
 
[遠藤会長]
 1つ、よろしくお願いしたい。続いて、医療機器の保険適用について議題としたい。(以下略)

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